研究課題/領域番号 |
14402003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小澤 亘 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (30268148)
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研究分担者 |
津止 正敏 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70340479)
黄 盛彬 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (50308095)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ボランティア文化 / 比較文化 / ボランティア意識調査 / 比較社会研究 / ボランティア教育 / 若者調査 / ボランティア教育の義務化 / 地域と学校 / 比較社会(日本・韓国・カナダ) |
研究概要 |
京都・ソウル・トロント各市における高校生ならびに教員に対して、ボランティア意識調査を実施し、ボランティア文化にかんする国際比較研究の端緒を開くことができた。 高校生に対する調査は、平成14・16年度に2回実施し、韓国ではそれぞれ770名・914名、カナダでは317名・480名のデータを得ることができた。日本においては、平成15〜16年度に実施し754名のデータを得た(1回目は平成13年度に実施済み)。教員に対する調査は平成16年度に実施し、日本387名、韓国665名、カナダ60名のデータを得た。数量調査と並行して、生徒・教員の他、高校生ボランティアを受け入れているNPO関係者に対しても聞き取り調査を実施した。 韓国、カナダ・オンタリオ州においては、調査実施の直前にボランティア活動の義務化が制度化されたが、1)両国においてはいずれも、生徒の「ボランティア」に対する偽善感が高まっていること、とくに、国策的に導入した韓国では、強制に対する生徒の心理的反発は強いこと、2)しかし、生徒側のボランティア教育プログラムに対する評価は高く、次第に定着しつつあること、3)ボランティア受け入れ側への負担は大きく、韓国においてはNPOの反発はかなり深刻なものがあるが、カナダにおいては、NPOの教育力や教員自身のボランティア活動体験量の多さがこうした摩擦を軽減していることが分かった。日本においては、高校入学以前の教育課程(とくに総合学習)の成果により、生徒のボランティア体験は増加しているが、「ボランティア」から獲得された学びの質はきわめて低下していることを示すデータが明らかとなった。 教員に対する調査からは、ボランティア活動において、日本社会では地域自治活動の比率が大きいのに対して、カナダにおいてはNPO活動、韓国では宗教的活動の比率が高いなど、3カ国の社会的特質が浮かび上がった。今後、ボランティア教育のあり方を考えていくうえで、こうした社会実態や生徒の意識を十分に考慮して、制度構築に当たる必要があろう。
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