研究課題/領域番号 |
14402009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水野 廣祐 (水野 広祐) 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (30283659)
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研究分担者 |
白石 隆 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (40092241)
白石 さや 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70288679)
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 助教授 (10330010)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (90372549)
見市 建 京都大学, 東南アジア研究所, 日本学術振興会特別研究員
酒井 由美子 中央大学, 法学部, 助教授 (60196053)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | インドネシア / 民主化 / 地方分権 / 政治学 / 議員 / 選挙 / イスラーム / 労働 / 都市 / 農村 / 地方エリート / 議会 / 政治 / 社会学的プロフィール |
研究概要 |
本科研は1998年以降民主化・地方分権化の進むインドネシアにおける地方政治の変容の実相を明らかにすることを目的としていた。とりわけ、地方議会議員の政治経済的影響力が増大したことから、1999年選出地方議員と2004年選出地方議員のデータ収集と分析に力点を置いた。 1999年選出の地方議員については、全地方議員の60%程度のデータ収集に成功し、2004年選出議員については、100以上の地方議会議員のデータ収集を行うことができた。これほどのデータ収集を行った研究は世界でもなく、そのことだけでも画期的な成果である。データの収集に当たっては、研究代表者、研究分担者が信頼関係を築いているインドネシア科学院、新聞社、NGOに支援を依頼し、効率性は格段に高まった。手書きのデータを入力し、データベースを構築する作業もインドネシアで行っている。 議員データに基づく地方エリートと地方分権化の分析は例えば、それぞれ西ジャワ(水野)、バンテン(岡本)、ジャワ各州(本名)、南カリマンタン(見市)について研究発表がなされ、選挙政治と地方分権化をめぐる全体的な分析(岡本、白石、本名)、イスラーム復興との関連(見市)についても成果があがっている。 その分析は多岐にわたるが、議員データから暫定的に言えることは次のことである。まず実業家出身者が増加している。潤沢な資金を持つ者の台頭が可能となり、地方政府の有する政治経済的資源を獲得しやすくなった。彼らの多くはスハルト体制期に大統領とその周辺の国軍・官僚エリートに寄生して経済資源の拡大再生産に成功した。イスラームの倫理に基づき清廉潔白な政治の実現を目指す政党においては年齢が若く、学歴が高い議員が誕生している。世代の差は重要であり、圧倒的にゴルカル党が優勢な農村部では、若年層は年功序列のゴルカル党よりも他政党を選好する傾向が強い。
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