研究課題/領域番号 |
14402041
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
山本 健兒 法政大学, 経済学部, 教授 (50136355)
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研究分担者 |
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (80153344)
栗原 尚子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (80017623)
竹内 啓一 一橋大学, 名誉教授 (00017617)
寺阪 昭信 流通経済大学, 経済学部, 教授 (30008643)
山田 晴通 東京経済大学, コミュニケーション学部, 助教授 (40191324)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | EUROCITIES / グローバリゼーション / 文化 / 移民 / 統合 / EU / 参加 / 建造環境 / 都市 / 自治 / 大都市自治体 / eurocities / 補完性原理 |
研究概要 |
欧州の大都市自治体はEUROCITIESを通じてEUに都市政策を推進させる行動や、相互の経験交流を進めてきた。これを受けて、EUも当初、文化遺産の保全や環境問題に焦点をあてる都市政策を、社会的排除、失業、移民の統合、経済的活力などを重視する都市政策を1990年代半ば以降推進している。EU主要都市によるグローバリゼーションとEU統合への文化的対応に関して2つの論点が浮かび上がる。第1は移民マイノリティの生活実態とこれに対するホスト社会の対応、第2は都市の建造環境の整備保全という論点である。 第1については、オランダへのモルッカ移民の統合、スペインへの移民のラテンアメリカ化、同じドイツ都市といえどもベルリンとミュンヘンでは移民比率の高い街区の様相に大きな違いがあることが明らかとなった。移民とホスト社会との間で対立が激しいというわけではなく、移民たちはドイツ都市を故郷と認識する傾向にある。しかし、移民は失業などでより厳しい立場にある。また中国を含む世界各地からの移民がパリ、ローマ、バルセロナでも可視的存在となっている。 第2の論点について、イタリアでは都市政府の政権交代が建造環境の変化に大きく影響すること、フランスでは文化遺産としての建造物の保全に中央政府の力がより大きく働くことが判明した。ロンドンの影におかれやすいイギリスのその他の主要都市は、欧州文化首都として指定を受けることによって大陸部のEU主要都市との競争に対応しようしている。 2つの論点のいずれに主眼をおこうとも、都市住民あるいは訪問外国人に対して都市の物理的な構成は大きな意味を持つ。欧州各国主要都市の動向を総括するならば、外的圧力に対する文化的対応は政治的対応とならざるを得ず、中央政府の力が強いフランスと地方政府の力が強いドイツを両極として、各都市を位置づけうる。その際に鍵をなすのは、参加と自治のありようである。
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