研究課題/領域番号 |
14403001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 孝太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80321587)
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研究分担者 |
関本 裕太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (70262152)
小川 英夫 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (20022717)
米倉 覚則 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (90305665)
水野 亮 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80212231)
大西 利和 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30314058)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | サブミリ波 / 超伝導受信機 / ボロメーター / 高精度アンテナ / 星形成領域 / スターバースト銀河 / 超新星爆発 / 受信機 |
研究概要 |
3年間の研究の結果、南米アタカマ砂漠のパンパラボラ(標高4860m)に設置された超高精度サブミリ波望遠鏡(ASTE)の総合調整が完了し、銀河系および系外銀河における星形成領域の大規模な観測が進められた。特に、優れた主鏡面精度(19ミクロンrms)と指向精度(数秒角p-p以下)、および優れた受信感度(350GHz帯での大気込みシステム雑音温度200K DSB以下)が達成されたことにより、質・量ともに、過去に比類ないレベルのデータが取得できた。 大質量星形成領域NGC3576では、既に誕生している大質量星形成のすぐ近くに、まだ星形成の兆候がない、しかしながら非常に密度が高い分子ガスのコアを複数検出した。センチ波連続波、近赤外・中間赤外域での観測ともあわせ、発見されたコアは、まさに星のたまごと呼ぶべき、星が誕生する直前の段階の天体であることを見出した。この領域では、連鎖的な星形成が進行しており、最初に誕生した大質量星が引き金となった連鎖的大質量星形成の現場を捉えた可能性がある。 系外銀河での星形成領域の観測としては、爆発的に星形成を行っている銀河(スターバースト銀河)であるM83の、ほぼ全域にわたる広域観測をはじめて行うことに成功した。過去に米国の望遠鏡により取得されたデータを、広さ・深さともに凌駕する。野辺山45m鏡によるCO(J=1-0)輝線のデータと組み合わせた詳しい解析の結果、星形成効率の変化の原因が、「分子ガス中に含まれる高密度ガス成分の含有量の違い」で説明できることが分かった。銀河ごと、あるいは銀河の中の場所ごとに、何故星形成効率が大きく変化するのか、という基本的かつ重要な問題の解決に、大きな進展をもたらすことができた。 このほか、スターバースト銀河M82での多数の超新星爆発に起因する巨大分子ガス球殻構造とそこでの連鎖的星形成の発見、宇宙論的距離での超新星爆発現象と緊密に関係するガンマ線バースト母銀河の一つ、GRB030329でのCO輝線の初観測など、多くの新しい知見を獲得し、出版できた。
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