研究課題/領域番号 |
14403006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
若土 正曉 (若土 正暁) 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60002101)
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研究分担者 |
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30185251)
青木 茂 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (80281583)
長島 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10087570)
牛尾 収輝 国立極地研究所, 気水圏研究グループ, 助手 (50211769)
渡邊 修一 海洋研究開発機構, 海洋観測研究部, 研究主幹 (00167131)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 南極底層水 / 南大洋 / 海洋循環 / 南北熱輸送 / 沿岸ポリニア / 係留観測 / 深層循環 / 南極海インド洋セクター / 世界の気候 / 西岸境界流 / 熱塩輸送 |
研究概要 |
南大洋(Southern Ocean)は、その地理的特徴(氷大陸である南極大陸をぐるりと取り囲み、低緯度側で太平洋・大西洋・インド洋の世界三大洋と直接交流をもつ)から、地球規模の気候に重要な役割を果たしている。特に、世界最大の季節海氷域(冬季海氷である南極海(Antarctic)は、北大西洋深層水とともに世界の海洋深層大循環の起源である「南極底層水」を形成する海としても広く知られている。このように、南大洋・南極海は地球科学的に非常に重要な海であるにも関わらず、これまで観測が極端に少なく、地球上で最大のデータ空白域の一つになっている。南極底層水は、南極大陸沿岸域の主にウェッデル海、ロス海、アデリーランド沖で生成し、世界三大洋の深層を循環していくと言われている。地球規模の気候に果たす海洋大循環の役割の重要性を考えると、この南極底層水の循環、特にその低緯度への輸送流量を評価することは極めて重要である。近年、欧米の研究者達によって、ウェッデル海やロス海における底層水形成に関する本格的な観測の実施計画が進められている。 本研究は、もう一つの南極底層水生成域であり、インド洋や太平洋の深層水の起源水域の可能性の高い、アデリーランド沖を中心とした南極海インド洋セクターにおいて、底層水の循環とそれの低緯度への輸送流量を直接測定により評価しようとするものである。冬季沿岸ポリニア域で生成した高密度水が、大陸棚斜面を沈降し、南極底層水として低緯度のインド洋さらには太平洋の深層を循環していく際、その流路上で流速が最大(西岸境界流)となるケルゲレン海台東岸沖に、約30台の流速計(水温塩分計付)からなる係留系(8測点)を2年間設置することによって、そこを通過する底層水の低緯度への輸送流量とその季節変動を捉える。 これら南極大陸を取り囲む三つの起源域で生成する「南極底層水」の低緯度への輸送流量を、国際協力による同時期観測によって直接評価することが出来れば、それら観測値を海洋大循環モデルに組み込むことによって、より信頼性の高い「世界の海洋大循環」像が我々にもたらされることになるはずである。 本研究は、豪州CSIROとの共同で約2ケ年にわたる流速計・水温塩分計からなる係留系観測(8測点)とそれらの設置および回収の際の通常海洋観測を実施し、観測のほとんどすべてが成功裡に終了した。特に、2ケ年にわたる係留系観測では30数基の観測機器のうち、1基を除くすべてにおいて完全な形でのデータを取得することができた。これは、勿論世界初のものであり、極めて貴重なデータ取得に成功したといえる。従って、本研究の主な目的は完全に達成することができた。これら貴重なデータ解析を中心とする研究展開を目的とする科学研究費予算申請「南極海インド洋セクターにおける海洋循環と南北熱塩輸送の量的把握」(平成17年-平成19年;合計15,100千円)が、幸いにも採択されたので研究を進めていきたいと考えている。
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