研究課題/領域番号 |
14403014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
浅川 義範 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (50033874)
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研究分担者 |
通 元夫 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (90163956)
橋本 敏弘 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (10075955)
豊田 正夫 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (50122586)
長島 史裕 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (60228012)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 薬学 / 生理活性 / 蘚苔類 / シダ類 / アポトーシス / 抗高脂血症 / NO産生抑制 / 化学系統分類 / 蘚苔類化学成分 / シダ類化学成分 / テルペノイド / フェノール化合物 / 細胞毒性 / ビスビベンジル / ent-カウレン型ジテルペン / ネクローシス / マダガスカル / ニュージーランド / 苔類 / 苔類の辛味成分 / テルペン / GC-MS / LC-MS / 進化 / 蘇苔類 / ビスビベンジル類 / セスキテルペン類 |
研究概要 |
本研究は南半球に自生する特に呈味を有する蘇苔類およびシダ類にスポットをあて、それらの薬用資源および医薬開発の展開、さらに化学系統分類を行い、植物分類学に貢献することも視野に入れて本研究を遂行した。採集場所はニュージーランド(NZ),アルゼンチン(AR)マダガスカル(MD)、東西マレーシアである。1: NZ産苦味苔類ツボミゴケより得た多数のent-kaurene型ジテルペノイド類は人白血病細胞に対し強い細胞毒性とアポトーシスを示した。スギバゴケLepdozia spinosissiからは海洋動物から得られるgorgonane型セスキテルペンを初めて苔類から発見した。アキウロコゴケの一種Jamesoniella kirkiiから3種のent-pimarane型および2種のent-kaurane型ジテルペンをえた。Balantiopsis roseaから3種の1-cyclohexyl-2-phenylethane骨格を有する化合物が世界で初めて得られ、これらが苔類固有のbibenzylおよびbisbibenzyl生合成中間体であることを提唱した。2: AR産苔類ヤスデゴケ(Frullania brasiliensis)の強烈なアレルギー誘発作用は本種に含まれるeudesmanolidesに起因することを証明した。クラマゴケモドキ(Porella swartiana)は多数のafricane型セスキテルペノイドを含有する。また強烈な辛味シダ、Thelypteris hispidulaの辛味の本体は苔類にも含まれるpolygodialであり、ニュージーランドのシシガシラ属シダの辛味もpolygodialであること、またでコウヤシノブゴケ(シダ類)より環状bisbibenzylが発見されたことを合わせ、ある種の苔類とシダ類の化学相関が見られ、陸上下等胞子植物の進化のなぞに迫る貴重なデーターが得られた。されにElephoglossum spthulatumは強烈な苦味を有するが、このシダの苦味本体はp-hydroxystyrene型グリコシドであった。3: MD固有種であるBazzania, Plagiochila, Marchantiaなどは多数のcyclomyhaylane型や、cuparene型セスキテルペン、環状bisbibenzyl類を確認した。4: ML産苔類のうちゼニゴケ類2種は大多量の環状ビbisbenzylを含有し、それらが強いNO産生抑制活性を有することを明らかにした。ジンガサゴケ(Reboulia hemisphaerica)などから得られる環状bisbibennzylの一種riccardin Cは肝臓X受容体のアゴニストとして、またLXR・のアンタゴニスとして作用することをin vivo実験でも証明し、高脂血症治療薬のもっとも重要な化合物のひとつとして注目され、全合成研究が世界で展開されている。南半球産苔類の成分比較のため、本邦産タカサゴソコマメギケ(Jackeilla javanica)およびオオケビラゴケ(Radula perrottetii)の成分研究も同時に行い、前者から抗がん剤タキソールの生合成中間体である3種の新規ent-verticellane型ジテルペンと後者から新規viscidane型ジテルペン2種と新規ビザボラン型セスキテルペノイド2種を単離構造決定した。さらに苔類およびシダ類の化学成分からそれらの系統分類について考察した。これらの結果は国際シンポジウムで19回、国内シンポジウムなどで35回発表し、40報の原著(7報は印刷中),4報の総説を発表し、1つの著書を著し、2回の国際賞を受賞した。
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