研究課題/領域番号 |
14403015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 立正大学 (2004) 独立行政法人国立環境研究所 (2002-2003) |
研究代表者 |
佐竹 研一 立正大学, 地球環境科学部環境システム学科, 教授 (50101051)
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研究分担者 |
高松 武次郎 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (60109915)
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
梅村 知也 群馬大学, 工学部, 助手 (10312901)
益永 茂樹 横浜国立大学, 大学院・環境情報学府, 教授 (50282950)
保倉 明子 東京理科大学, 理学部, 助手 (20343569)
上原 清 国立環境研究所, PM2・ 5DEP研究プロジェクト, 主任研究員 (90223495)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 大気汚染 / 沈着 / 鉛安定同位体 / 208Pb / 206Pb / 長距離越境大気汚染 / 207Pb / 入皮 / アジア大陸 / 環境汚染 / 越境大気汚染 / 鉛 / 安定同位体 / モニタリング / 環境汚染史 / ^<208>Pb / 大気汚染物質 / 水銀 / 樹皮 / 大陸起源 / 環境汚染物質 / ヒ素 / 白金 / チェコ / 英国 |
研究概要 |
鉛には、原子量が204(1.4%)、206(25%)、207(21%)、および208(52%)の4種類の安定同位体があり、206Pb、207Pb、および208Pbの存在量は、これらがそれぞれ238U、235U、および232Thの放射性崩壊によって発生する。そこで本研究では長距離越境大気汚染の一つの指標として鉛の同位体比を測定して中国大陸からの越境大気汚染の時系列変化を検証した。 1.フィルター試料中の鉛 新潟県村上市において採取したフィルター試料により、3年間(1999年〜2002年)にわたり沈着した鉛粒子の季節変化を測定した結果、鉛沈着は冬と春(11月から5月)に最高であり、三面川における鉛沈着には長距離飛来に関係すると思われる季節変化のあることが示された。一方、11月から5月に村上市から採取された鉛試料のフィルター中の鉛の安定同位体比が鉛成長曲線から乖離していることを示し、208Pbが過剰であったので、Thを比較的に多く含有する試料から生じた「トリウム起源」の鉛成分がフィルターに含まれていたことを示していた。トリウムを起源とする鉛の安定同位体比はアジア大陸の鉱石と石炭に観測されるが、フィルターにトリウム起源の鉛の安定同位体が存在するのは、三面川流域に鉛粒子が長距離飛来することを示す強い証拠と考えられた。 2.外樹皮と入皮に含まれる鉛 三面川流域(鷲ヶ巣山 標高825m)とに新潟県沖の佐渡島(ドンデン山)で採取された高地の樹皮は、トリウム起源鉛の安定同位体比を示して、上述のフィルター試料に合致した。この結果は、長距離飛来が特に高地の樹皮に鉛をもたらしたことを示していた。これらの結果は20年から30年前の日本の鉛排出量は現在のそれよりも多く、中国のそれが少量であったのが、その後アジア大陸からの鉛の長距離飛来が増大したという仮説を裏付けていた。
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