配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
|
研究概要 |
耐乾燥性を有し,ゴムを産生すると思われる植物を志向し,中国西部を中心に探索した.中国陝西省,延安(1箇所),西安(2箇所;楊凌,華山)においてシス型ゴム産生植物であるペリプロカ類の生育地調査を実施した.中国にはPeriploca属の4種が生育することが知られているが,調査地点で採取された種は全て,Periploca sepiumであると同定された.中国ウイグル自治区西部(パミール高原・ホータン地域:カシュガル地方(アフガニスタン・パキスタン国境)ホータン),中国寧夏回族自治州(銀川:黄河中流域)において乳液ゴムを産生するキョウチクトウ科のApocynum venetumとPoacynum hendersoniiの生育地調査を実施した.当該地方では両種を総称してLobumaと表現しており乳液を接着剤に師部組織を繊維として用いている.当該地方は,年間雨量100mm以下の極乾燥地である.カシュガル地方からパミール高原・カザフスタンにかけては根茎にゴムを蓄積するゴムタンポポ(Taraxacum koksagbyz)が存在し,1960年代に集中的にゴム生産の可能性が調査されたが全草を抽出しなければならないので現在では利用されていない.しかし,これらゴムタンポポの野生種が同地域では多く存在し貴重な遺伝資源の宝庫であることが分かった.中国河南省西部の黄土高原(降雨量800mm以下)でトランス型ゴムを産生するトチュウ(Eucommia ulmoides)のゴム栽培に実用性を調査した.特に有望な二種の植物(ペリプロカおよびトチュウ)ならび,ゴム産生キノコに関し,生化学的検討を実施した.今後も実用的ゴム生産に適用可能な有用植物を志向し,継続的に調査を続行する.
|