研究課題/領域番号 |
14405003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
嶋田 正和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40178950)
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研究分担者 |
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00193524)
青木 誠志郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10334301)
徳永 幸彦 筑波大学, 生物化学系, 助教授 (90237074)
津田 みどり 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (20294910)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | マメ科植物 / マメゾウムシ科昆虫 / 根粒菌 / 系統対応 / 共進化 / 寄主転換 / 宿主特異性 / 侵入 / マメゾウムシ科 / 分子系統解析 / 細胞内共生細菌 / 競争型 / 分子生物地理学 / DNA情報 / 共生 / 寄主シフト / PCR |
研究概要 |
本研究では、マメ科の寄生生物(種子捕食性昆虫であるマメゾウムシ科)と共生生物(根粒菌)を対象に、「利用し利用される関係」の相互作用ネットワークが、どのような進化的過程を経て成立したかを、海外調査と分子系統解析により解明した。その際に、その地域の在来種どおしの系統分化(系統的マッチング)による共進化によるのか、あるいは他の地域からの侵入により新たな「利用し利用される関係」の組合せが共進化的に生じたのか、双方の可能性を考慮した。 (1)マメ科-マメゾウムシ科の系統対応 (A)メキシコの野生マメ科-マメゾウムシ科について メキシコのベラクルス州、サン・ルイ・ポトシ州、ケルタロ州で、野生マメ科の寄主植物の豆果を採集し、羽化するマメゾウムシ科昆虫の系統対応を調べた。その結果、Acacia属-Mimosestes属やSennna属-Senius属、Convolvulce亜科-Megacerus属など、寄主植物の上位分類群とマメゾウムシの属とでおおまかな対応が見られた。しかし、微視的なスケールでは、頻繁に寄主転換によって複雑な対応パターンになっていることが分かった。 (B)アジアの栽培マメ-マメゾウムシ科について 台湾・タイ・ミャンマー・インドなどでマメ科植物とマメゾウムシ科昆虫の系統対応を調べた。その結果、マメ科のササゲ連とインゲンマメ連とに大別されて、マメゾウムシ科昆虫のさまざまな属も区分されることが分かった。また、豆資源を利用する際の幼虫の穿孔行動や競争タイプを調べた。 (2)マメ科-根粒菌の系統対応 マメ科と根粒菌共生系における宿主特異性進化機構を分子生物学的に解析した。根粒菌の持つ根粒形成(nodulation)に必須な遺伝子群(nod遺伝子群)のうち、宿主特異性決定に重要なnodD遺伝子の野生植物からの単離に成功している。nodDは植物の根から放出される2次代謝産物であるフラボノイドで活性化される転写因子であり、これは宿主以外の植物のフラボノイドでは活性化しないことから、宿主特異性に重要な役割を果たすことが示唆された。
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