研究課題/領域番号 |
14405022
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小柳津 広志 東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授 (70177301)
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研究分担者 |
中元 朋実 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50180419)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 熱帯酸性土壌 / 持続的農業 / 土壌肥沃性の改善 / リン酸吸収促進微生物 / 新規土壌微生物製評価法 / メタン発生抑制 / ココナッツダスト / 魚加工廃液 |
研究概要 |
本研究ではインドネシアを熱帯酸性土壌地域の代表と考え、肥沃性の低い熱帯酸性土壌地域における持続的作物生産システムを提案することを目指している。熱帯の土壌では有機物の分解が速く、降水量が多いことから土壌養分の流亡が激しく、塩基性の養分の流亡によって強い酸性となる。この地域の土壌では土壌有機物含量が非常に低くなり、土壌の微生物バイオマスも減少し、このことが肥沃性の低下につながる。したがって、本研究では熱帯地域で容易にかつ安価で入手可能な有機物の土壌投入を検討した。本研究では、あらかじめ魚加工工場から排出される廃棄物および廃液とココナッツ繊維加工の過程で排出されるダストに注目していた。昨年度までに、ジャワ島西部魚加工場の廃液およびジャワ島東部で入手したココナッツダストを用いてフィールド応用実験を行ったが、土壌の肥沃性が改善され、栽培したスウィートコーン、サツマイモおよび現地のアブラナ科作物など全ての作物で有為に成長を促進した。同様の栽培実験を日本において採取した熱帯酸性土壌にきわめて似た性質を持つ土壌を用いて行ったが、モロヘイヤおよびスウィートコーンを栽培したところ、魚廃液資材は同様に有為に成長を促進した。成長促進と土壌微生物バイオマスとの関連性を確かめるため、土壌バイオマス測定を行ったところ、土壌脂肪酸組成においてもクロロホルム薫蒸においても、魚廃液資材の添加は顕著にバイオマスを増加させ、植物の成長促進がバイオマス量の増加と関連していることが確認できた。次に、国内で採取した土壌を用いて、土壌の肥沃性を微生物多様性から評価する手法の開発を行った。分析は全脂肪酸と抽出DNAを用いたTRFLPを用いた。非抑性すなわち作物収量と脂肪酸組成およびTRFLPバンドの関係を因子分析によって行ったところ、蛍光性Pseudomonas、Bacillusなどが保有する脂肪酸やTRFLPバンドが肥沃性と密接に関連する指標であることを明らかとした。この手法は、土壌肥沃性を短時間に評価する手法として活用されることが期待される。
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