研究課題
基盤研究(B)
平成14年度は、韓国・済州島の4カ所の済州馬の牧場と6カ所のサラブレッド種の牧場から採取した糞便と土壌よりRhodococcus equiを分離した。10カ所の牧場から強毒株は7つの牧場から分離され、分離率は2%(508株中10株)であった。10株の強毒株のうち、4株は日本の木曽馬から分離された90-kb II型の病原性プラスミドを保有し、残りの6株はこれまでに報告のある10種類の病原性プラスミドDNAのEcoRIとEcoT22Iの制限酵素切断像の何れにも一致しない新しいプラスミド型を示した。90-kb II型のEcoRI像との類似性から、この新しいプラスミド型を90-kb V型と呼称した。平成15年度はSARSの流行で中国での調査を断念し、韓国での調査を継続した。平成16年度は、モンゴル在来馬(Mongolian Horse)におけるRhodococcus equiの分離や分布については殆ど知られていない。モンゴル・ウランバートルから100km以内の3つの地域で遊牧民の26の家族が保有する子馬114頭の糞便、そのキャンプ地の周辺土壌を71検体、さらに、Hustai国立公園に導入された蒙古野馬(Przewalski's Horses)の子馬糞便5検体を採取した。R.equiはモンゴル在来馬の糞便及びその環境土壌から全く分離できなかった。しかし、2検体の蒙古野馬糞便から3コロニーのR.equiが分離された。3株とも無毒で、毒力関連15-17kDa抗原(VapA)と20kDa抗原(VapB)遺伝子を保有していなかった。モンゴル在来馬とその飼育環境がR.equiに汚染されていないことが初めて明らかとなった。中国・内蒙古自治区の22馬牧場より土壌と糞便を計118検体採取した。118検体中45検体で菌分離陽性となり、676菌株が分離されたが、全てが無毒株であった。以上、韓国、中国、モンゴルの調査を行い、強毒株の起源は韓国済州島まで追跡できた。しかし、中国・モンゴルの調査はSARSの流行により1年間遅れ、調査地域も限定されているため今後はさらに現地協力者と情報交換を密にして、調査地域の選定などを行い、第二次調査を継続する予定である。
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