研究課題/領域番号 |
14406004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
當眞 弘 琉球大学, 医学部, 助教授 (80231447)
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研究分担者 |
渡部 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
新川 武 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (50305190)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | ラオス / マラリア対策 / 熱帯熱マラリア原虫 / 薬剤耐性 / マラリア教育 / 自己抗体 / 三日熱マラリア原虫 |
研究概要 |
2000年、沖縄サミットでも取り上げられたように、マラリアはAIDS、結核とともに、全世界で公衆衛生学的に最も重要な感染症のひとつであるとともに、その対策が急がれる疾患である。幸いにもラオス国におけるマラリアの流行は1996年以降減少傾向を示し、死亡者数も減少しているが、同国南部地域においては依然として厳しい状況にある。本研究はこれまで琉球大学医学部が医療協力を通じて同国において築き上げてきた信頼、協力関係のもと、マラリア対策における予防・治療の研究、住民教育の研究を柱に、総合的に調査研究を進め、有効なマラリア対策を構築するための知見を得ることを目的としたものである。 本研究を遂行するため、毎年度野外調査を中心とした研究が実施され、3年間で同国南部2県(Saravane、Attapeu)、3郡、12村、延べ2779人の住民を対象にマラリア検査が行われ、対象者の選定がなされた。 治療の研究においては、現在治療において問題となっている薬剤耐性について、その出現状況を把握するため熱帯熱マラリアに対するin vivo及びin vitro薬剤感受性試験を行った結果、第1選択薬クロロキン、第2ファンシダールに対してはある程度耐性マラリアの拡散は認められるものの、メフロキンに対しては耐性マラリアは確認されておらず、今のところ多剤耐性マラリアの拡散は始まっていないものと考えられた。 予防の研究については、予防対策、特にワクチン開発においてはマラリア感染者の免疫状態を把握することは重要であり、今回はマラリア重症度との関連が取り沙汰されている自己抗体産生を含む免疫機能の動態について調査を行った。結果として、今回の同国における調査ではその関係を強く示唆するデータは得られなかったものの、隣国のタイ国ではその関連が示唆されており、今後その他の免疫パラメーターの解析を行い、マラリア感染により誘導される自己抗体の役割について検討を行う予定である。 また、文献およびラオス国マラリアセンターのデータを総括して、近年のマラリア流行について疫学的な見地から研究を行った。加えて、タイ国における学校保健活動を模範として、ラオス国においてマラリア対策への効果的住民教育の一環として学校保健活動の導入を行い、現在その評価を行っている。
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