研究課題/領域番号 |
14406015
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
|
研究分担者 |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80281070)
柴田 英治 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90206128)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
|
キーワード | 1-ブロモプロパン / フロン代替溶剤 / 神経毒性 / 生殖毒性 / 遠位潜時 / 個人曝露量 / 量-反応関係 / 振動覚 / 末梢神経伝導速度 / 時間荷重平均 / 曝露濃度 / 重心動揺計 / バイオマーカー / 蛋白付加物 / 神経行動学的検査 / 神経伝導速度 / F波 / 神経障害 |
研究概要 |
1)アメリカ合衆国ノースカロライナ州で発見した1-ブロモプロパン曝露症例の解析 アメリカ合州国クッション工場で働く労働者(A)は、約1年前間、1-ブロモプロパンを主成分とする接着剤を使用した。下肢振動覚低下、灼熱感などの異常感覚、臀部、大腿全面、下腿にかけての知覚鈍磨、ふらつき、つまずきなどの歩行障害、いらいら、抑うつ感、頭痛などの中枢神経症状などが見られた。この労働者(A)の二人の同僚(B),(C)も同様の症状を呈していることがわかった。労働者(A)、(B)は調査時点で既に職場を離れていたため、我々は労働者(C)の個人曝露量をパッシブサンプラーを用いて推定した結果、その値は60から261ppm、平均133ppmであった。 2)中国江蘇省における1-ブロモプロパン工場労働者における神経障害の解析 中国江蘇省にある1-ブロモプロパン工場において1-ブロモプロパンに曝露された労働者の健康調査を行った。23人の曝露された女性労働者と、性、年齢をマッチさせた対照労働者との比較で、電気生理学的検査による下肢遠位潜時の延長、感覚神経伝導速度の低下および種々の神経行動学的検査の低スコアを示した。また、曝露労働者のうち15人は明らかな足振動覚の低下を示していた。 3)パッシブサンプラーおよび代謝物を用いた個人曝露量と神経伝導速度評価を基にした感受性個体差の検討 上記の調査においてパッシブサンプラーおよび1-ブロモプロパン尿中代謝物N-Acetyl-S-propylcysteineによる個人曝露量、1-ブロモプロパン曝露歴の調査を行い、神経伝導速度などの生体影響指標との関連を調べたが、明らかな量-反応関係は観察されなかった。この原因として、(1)パッシブサンプラーならびに尿中代謝物は短期の曝露指標であり、長期の曝露を必ずしも反映していない、(2)個体感受性の違いがあること、の二つの可能性が示唆された。
|