配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
マラリアの診断とG6PDの活性検査を同時に行ない,プリマキンによる根治および生殖母体殺滅療法を含んだマラリア治療方法を紹介するため,東南アジア各地を現地のマラリア従事者とともに巡回した。G6PD活性正常のマラリア患者にはプリマキンを与えて再発の防止および蚊への伝搬を断ち切るようにした。G6PD活性低下者には溶血発作の可能性を考慮しプリマキンを与えないこととした。従来のG6PD活性検査法の欠点は,迅速であるが遮光をする必要があり,また反応を停止させることができないので,受診者が多いときなど判定に迷っているうちに反応が進行してしまい,特に50%欠損(女性のLeterozygote)の判定が難しかった。今回共同研究者の川本(Tantular and Kawamoto 2003)が開発した新規の発色基質(WST-8)を用いたG6PDの迅速診断法によりG6PD活性を評価したところ,50%欠損も判定できることが分かった。これまでは完全欠損を示す男性の検体を分析するばかりであったのが,女性の50%欠損者も分析できるようになり,検体数が2倍以上に増えた。こうしてアジアにおけるG6PD変異者の分布の特徴が,明らかになりつつある。たとえばミャンマーではG6PD Mahidol型が90%以上を占めたのに対し、カンボジアではG6PD Viangchan型が90%以上を占めた。この結果はマレーシアやインドネシアでみられたように数種類の変異型が混在するのと異なっており、ミャンマー、カンボジア両国の民族の祖先がG6PD型でみる限りにおいて純系統であること、また両国の祖先の系統が異なっていることを窺わせる。
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