研究課題/領域番号 |
14510018
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
藪 敏裕 (薮 敏裕) 岩手大学, 教育学部, 教授 (20220212)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 『戦国楚竹書』孔子詩論 / 『郭店楚墓竹簡』茲衣篇 / 『詩』 / 『詩経』 / 『毛傳』 / 『毛序』 / 郭店村楚墓竹簡 / 戦国楚漢 / 詩経 / 毛傳 / 毛序 / 孔子詩論 / 戦国楚簡 / 毛傅 / 戦国楚竹書 / 詩 |
研究概要 |
一九九三年に、湖北省で発見されたとされる『郭店楚墓竹簡』茲衣篇・上海博物館蔵『戦国楚竹書』孔子詩論(以下『戦国楚竹書』孔子詩論)は、それらが詩や詩説を多数引用することから、『詩』の成立を考えるにあたって重要な発見である。 戦国期の成立と考えられる『郭店楚墓竹簡』茲衣篇・『戦国楚竹書』孔子詩論は、前六世紀初頭前後の成立と考えられる『詩』の原初的意味と、漢代以降の成立と考えられる『毛傳』『毛序』との中間に位置する。『郭店楚墓竹簡』茲衣篇・『戦国楚竹書』・孔子詩論の詩理解が、『詩』の原初的意味や、『毛傳』『毛序』の『詩』理解とどのような関係にあるかを分析すれば、従来の文献の記述のみを用いて行われてきた『詩』『詩経』の成立について研究を全面的に検討し直していくことができる。 たとえば、『郭店楚墓竹簡』茲衣篇第九章に引用される詩である小雅・魚藻之什・都人士篇の「其容不改」を例にとれば、原初的意味では「都人士(若者)」の姿がいつも変わらないという事実を述べていると解釈されるが、『毛傳』では、現在の衰退した現状に対比して、理想としての過去を述べると言う方法で、やや規範的な意味あいを持たされているし、『毛序』では「(統治者は)簡単に衣服を変えるべきではない。」と現状維持という保守的な主張となっている。しかし、『郭店楚墓竹簡』茲衣篇九章では統治者が伝統的に定まっている礼制・習俗を改変せずに維持すべきことを根拠づける目的で引用されている。『郭店楚墓竹簡』茲衣篇が『隋書』音楽志上の言うように子思の著作であり、『戦国楚竹書』孔子詩論が孔子の作であるすると、『郭店楚墓竹簡』茲衣篇の詩理解が、同じく『漢書』では子夏から伝来したとされる『毛傳』『毛序』となぜ異なるのかという点について、ひいては『詩経』の成立、儒教の成立をどう考えるのかということについて詳細な検討が必要であると思われる。 今後『郭店楚墓竹簡』茲衣篇第九章に引用される詩である小雅・魚藻之什・都人士篇のみではなく、『郭店楚墓竹簡』全体にわたって、及び完結が待たれる上海博物館蔵戦国楚竹書が引用する『詩』全体にわたる検討を今後の課題としたい。
|