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原始キリスト教におけるヘレニスト・ユダヤ人キリスト教の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510034
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 宗教学
研究機関立教大学

研究代表者

小河 陽  立教大学, 文学部, 教授 (70214012)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードヘレニスト・キリスト教徒 / ヘレニスタイとヘブライオイ / 原始キリスト教史 / 使徒言行録 / ヘレニスト・ユダヤ人キリスト教 / 新約聖書学 / ヘレニスト / ユダヤ人キリスト教 / 古代キリスト教 / 使途言行録
研究概要

イエスからパウロにいたる原始キリスト教の展開の橋渡しとして律法批判的な自由主義的神学を標榜したヘレニスト・ユダヤ人キリスト教の存在が想定されてきたが、この問題を巡る様々な議論を取りあげ、検証を試みた。原始キリスト教内部で、ヘレニスト・グループと保守的ユダヤ人キリスト教グループが独自のグループとして存在していたという史料的な裏づけはなく、まして、両グループが独自の神学を理由に対立しあっていたというテーゼは史料に基づく仮説というより、ヘレニズムとユダヤ教という二つの(宗教)文化の相違という前提の上に構築された虚構である。
1)まず、使徒言行録に現れる「ヘレニスタイ」と「ヘブライオイ」の用語は、純粋に言語的な観点からの2つのグループの区別であり、ここに独特な神学的特徴を持ったヘレニストのグループの存在を想定することは無理である。
2)6章1節-6節の釈義的研究は、エルサレム教会に2つの独特の神学をもったグループ間の対立が隠されているとする解釈を支持しない。
3)また、使徒言行録の中に、ヘレニストの選択的迫害があったという解釈を支持する根拠は見いだせない。
4)ステファノスの殉教の記事から、彼が律法と神殿を批判したという解釈は読み取れない。
5)編集記者ルカは使徒言行録7章のステファノス演説を記述する際に史料を用いた可能性が高いが、それをヘレニストに遡らせる場合でも、ヘレニストの神学がユダヤ教律法に批判的であったことを論証するものではなく、むしろ、律法遵守の立場を示す。ステファノ演説から推定できるヘレニスト神学は、神殿批判を中心とするものであり、それはディアスポラ・ユダヤ人キリスト教が共有しうる立場であった可能性が高い。
6)ヘレニスト神学の発祥をパウロ以前のアンティオキア教会に求めることは十分な根拠づけを持っていない。
7)紀元1世紀のキリスト教会は相互に密接に結ばれたネットワークを形成しており、初期の時代に一つのグループが独自の神学を展開させたという環境は見いだされない。

報告書

(4件)
  • 2004 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 その他

すべて 図書 (1件) 文献書誌 (3件)

  • [図書] パウロとペテロ2005

    • 著者名/発表者名
      小河 陽
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      講談社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書 2004 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小河 陽: "新約聖書と現代"聖書と神学(日本聖書神学校キリスト教研究会). 14号. 85-107 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 小河 陽: "辻学著・ヤコブの手紙(書評)"新約学研究(日本新約学会). 31号(予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 小河 陽(分担執筆): "『新約聖書概説』の中の「マタイ福音書」および「ヨハネ黙示録」"日本基督教団出版局. 400 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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