研究課題/領域番号 |
14510051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 章則 東北大学, 大学院・文学研究科, 講師 (10187990)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 折衷学 / 考証学 / 書物 / 享受 / 東北地方 / 小野隆庵 / 内池永年 / 狂歌 / 熊阪台州 / 思想環境 / 学問空間 / 二本松藩 / 東北 |
研究概要 |
本研究は、近世後期における「折衷学」・「考証学」の学統の地方的展開の実態を明らかにするとともに、その学問の基盤である「書物」の入手と享受の意義を思想史的に考察することを目的とするものである。その端緒として平成14〜16年度に主に取り上げたのが、現在の福島市近傍に居住した知識人たちであった。当該地域は「徂徠学」派に属しつつも「考証学」への志向を強めた熊阪台州や「折衷医」小野隆庵、考証を得意とした「国学者」内池永年らが活躍した地域である。彼らの「書物」を比較・考量するという「考証」の学問的な営みは「地域」の学問環境・思想環境へ影響するところが大きかった。 平成17年度の研究は、(1)16年度に引き続き福島県伊達郡桑折町の調査を行い、新たに福島県南会津郡伊南村の学問状況の基礎調査を行い、(2)各種関係資料・文献の入手と検討とを行った。また、(3)「折衷学・考証学」の他地域での展開を見通すべく、岐阜県高山市、宮城県玉造郡岩出山町における学問・文化史料の検証と保存とに関わった。(4)資料調査にあっては、上記地域の資料提供先に赴き、資料の閲読・複写を行い、今後の検証の材料を整備した。また、関連する文献の確保のため、福島県立図書館、福島県歴史資料館、伊南村村史編纂室、宮城県図書館、高山市郷土館、東京都立図書館などの図書館・資料館に赴いた。 調査の過程で、当該地域の多くにあっては「折衷学・考証学」と既存の「徂徠学」「朱子学」や「国学」や「文芸」たとえば俳諧・狂歌(俳諧歌)等が複合的に交差し、地域の個性を示すべく偏差を有する展開をなしていることが明らかになった。また、昨年度以降の調査によって、特に幕府の「代官領」にあっては考証的傾向の強い学問が活発に展開していたことが明確化した。本研究の課題解明のためには「地域」の思想環境への多面的な調査が必要であることが改めて浮き彫りになった。
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