研究課題/領域番号 |
14510070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
岸 文和 同志社大学, 文学部, 教授 (30177810)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | メディア / 視覚的コミュニケーション / 視覚文化 / 機能 / 描画内行為 / 描画媒介行為 / 絵画行為論 / 言語行為論 / 視覚イメージ / プラグマティクス / メディア機能 / 絵馬 / 広告 / 風景版画 / 視覚的イメージ / 運用論 / イメージ行為論 / コミュニケーション行為 / 死絵 |
研究概要 |
視覚イメージは、《メディア》として、私たちにさまざまな情報を伝達する機能を担っている。本研究の課題は、日本の視覚文化(Visual Culture)に焦点を合わせて、多様な視覚イメージが果たしてきたメディアとしての機能を、コミュニケーション行為論の観点から、すなわち、制作者はどのような視覚的イメージを用いて何を遂行しようとするのか、という観点から--基本的には言語行為論の枠組みを援用して--再検討することにある。このような観点から、本研究においては、次のことを明らかにした。 1.言語と視覚イメージとの間には記号論的な差異があるが、コミュニケーションのメディアとしての機能の点では類似性が認められる。 2.視覚的コミュニケーションは、7つの要素-注文主/制作者/コンテクスト/作品/規則/仲介者/受容者--によって構成されている。 3.7つの構成要素は5種類にグルーピングすることが可能であり、それら5つの要素のそれぞれが異なった種類の情報伝達機能--指示的/心情的/能動的/美的/メタ絵画的機能--を規定している。 4.5つの機能の区別にもかかわらず、そのうちの一つの機能しか果たさないような《作品》を発見することは不可能である。すなわち、機能の多様性は、これらの機能のうちのどれか一つが専制的に現れることによって生じるのではなくて、それらの機能の階層的な順位の差異によって生じる。 5.視覚イメージは、その深層構造において、2つの部分--「描画内の力(機能)を表示する部分」と「命題」--に分析可能な意味構造を持つ。そして、特定の描画内行為(報告/祈願/感謝/推薦)が適切に遂行されるためには、発話内行為と類似した仕方で、命題内容規則/予備規則/誠実性規則/本質規則という四種類の規則が充足されなければならない 6.描画内行為と、その結果・効果である描画媒介行為とは区別されなければならない。
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