研究課題/領域番号 |
14510075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
喜多崎 親 一橋大学, 大学院・言語社会研究科, 教授 (90204883)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 19世紀 / 美術 / 絵画 / 宗教画 / イコニック / ナラティヴ / 聖堂装飾 / 聖なるものの表象 |
研究概要 |
本研究は、研究目的に掲げたように19世紀後半のフランス絵画について、従来アカデミズムとモダニズムという二つの相反する陣営に振り分けられて扱われていた同時代の画家達を、キリスト教的なインスピレーションという視点から検討し、新たな近代像を探る試みである。3度に亘るパリでの調査を通して、サン=フェルディナン礼拝堂、パンテオン、サクレ=クール聖堂などの内部装飾の写真、当時の美術批評のコピー、関連する博士論文等の基礎的資料が入手できたことは大きな成果であった。それらはいくつかの大きなヒントをもたらしたが、その中から見えてきた1870年代に於ける宗教建築に於けるモザイク技法の復興という状況は、特に印象主義からキュビスムに至る画面分割の美学的前提として、中世のキリスト教的技法がなんらかの影響を与えた可能性を示唆するもので、従来のアカデミズムとモダニズムを単純に対立させる視点を修正するひとつの可能性を示唆する点で特記される。ただし、全体として調査の過程で当初研究者が予想したよりも遙かに大量の作業を必要とすることが判明し、テーマはかなり限定されざるを得なくなった。結果として、論文としては、モローの聖性表現、モネの《ルーアン大聖堂》連作の二重性などを形にすることができたが、とくにモザイク復興に関して大きな意味を持つ1870年代のパンテオンのエベール原画のアプシスのモザイク《フランスの守護天使にフランス人の運命を示すキリスト》をめぐる状況については、現段階では研究ノートを記すに止まった。
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