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1600年前後のローマ美術と初期キリスト教文化

研究課題

研究課題/領域番号 14510078
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美術史
研究機関神戸大学

研究代表者

宮下 規久朗  神戸大学, 文学部, 助教授 (30283849)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードカラヴァッジョ / 反宗教改革 / ローマ / 初期キリスト教文化 / 南蛮美術 / 隠れキリシタン / バロック / イエズス会 / 福音書画伝 / 果物を剥く少年 / 教皇 / パラッツォ / ヴァチカン宮殿
研究概要

本研究は、1600年前後に初期キリスト教文化がいかに再評価されたかをあきらかにし、それが聖堂装飾をはじめとする当時のローマの美術活動に主題上・様式上いかに反映されたか、そしてそれが聖年における教皇庁や宗教団体の教義や政策、プロパガンダとどう関係したかを考察し、主要な画家の動向を追いながら、新たなバロック美術の誕生を促したメカニズムを総合的に解明しようとするものである。こうした調査によって、後期マニエリスムから初期バロックにいたる、イタリア美術史上もっともダイナミックな転換点の美術に、従来と異なる角度から光を当てることができ、また筆者が継続して行ってきたカラヴァッジョ研究にも、裏付けと深みを与えることができた。
平成14年度は主として教皇庁における反宗教改革期の美術政策について研究を行った。反宗教改革期には、教皇庁の美術が当時の公的な美術様式と認定され、各教団の美術政策や個人の美術嗜好に強く影響していたからである。具体的には、16世紀から17世紀にかけての教皇権が、当時の欧米の歴史情勢の中でどのような政治的・社会的位置をしめていたのか、またそれが公的な聖庁であるヴァチカン宮殿と一族の居城であるパラッツォの美術装飾にどのように反映しているかについて調査した。
平成15年度は、反宗教改革の国際的広がりという視点から、イタリア以外に普及した反宗教改革期の美術様式に注目した。また、わが国の禁教下から今日にいたるまでのいわゆる「隠れキリシタン」の美術については、その聖像(イコン)が存在するにもかかわらず、美術史上の研究対象となったことはほとんどなかった。しかし、キリスト教主題を持つ原図が閉ざされた社会でいかに変容し、異種の図像にいたるかというきわめて興味深い問題を提示しており、長崎県生月島で今も信仰されている聖画(納戸神・御前様)について若干の調査研究を行い、小論文を執筆した。
平成16年度は著書『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』をまとめるため、今までに書いた諸論文を点検して書き直す作業に従事した。とくに第二章「1600年前後のローマ画壇とカラヴァッジョ」は、かつて書いた論文をほぼ全画的に書き直し、大幅に加筆してほとんど新しい論文にしてしまった。このように、1600年前後の混沌とした美術の状況と、反宗教改革とキリスト教考古学の流行に鼓舞されて起こった新たな潮流を、カラヴァッジョの革新という座標軸を設定することであきらかにすることができた。

報告書

(4件)
  • 2004 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2004 2003 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (4件) 文献書誌 (4件)

  • [雑誌論文] カラヴァッジョ最初期の作品《果物を剥く少年》について2004

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 雑誌名

      美術史論集 4

      ページ: 15-26

    • NAID

      120006488474

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 発酵するイコン-かくれキリシタン聖画考2004

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 10

      ページ: 69-73

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Concerning Caravaggio's 'Boy Peeling Fruit'2004

    • 著者名/発表者名
      Kikuro Miyashita
    • 雑誌名

      Kobe Review of Art History vol. 4

      ページ: 15-26

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Icon in Ferment : Religious Paintings of the Secret Christians2004

    • 著者名/発表者名
      Kikuro Miyashita
    • 雑誌名

      Bijutu Forum 21 vol.10

      ページ: 69-78

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 王権のイリュージョン-バロック的装飾と宮殿2003

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 雑誌名

      表徴と芸能(岩波講座 天皇と王権を考える)第6巻(岩波書店)

      ページ: 301-331

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Illusion of Sovereignty : Baroque Decoration and Palace2003

    • 著者名/発表者名
      Kikuro Miyashita
    • 雑誌名

      AA.VV., Symbol and Art (Iwamammi-Shoten, Tokyo)

      ページ: 301-331

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [図書] カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン2004

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 総ページ数
      426
    • 出版者
      名古屋大学出版会
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書 2004 研究成果報告書概要
  • [図書] Caravaggio : Sacredness and Vision2004

    • 著者名/発表者名
      Kikuro Miyashita
    • 出版者
      Nagoya Daigaku-Shuppankai
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [図書] バロック美術の成立2003

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 総ページ数
      98
    • 出版者
      山川出版社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [図書] The Formation of Baroque Art2003

    • 著者名/発表者名
      Kikuro Miyashita
    • 出版者
      Yamakawa-Shuppan
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2004 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮下規久朗: "カラヴァッジョ最初期の作品《果物を剥く少年》について"美術史論集. 4. 15-26 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 宮下規久朗: "隠匿と変容-隠れキリシタン聖画考"美術フォーラム21. 9(印刷中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 宮下規久朗: "バロック美術の成立"山川出版社. 98 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 宮下 規久朗: "王権のイリュージョン-バロック的装飾と宮殿"『岩波講座 天皇と王権を考える6 表徴と芸能』岩波書店. 69-99 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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