研究課題/領域番号 |
14510083
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
勝 国興 (勝 國興) 同志社大学, 文学部, 教授 (80066208)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | ドイツ人商館 / フォンダコ・デイ・テデスキ / ジョルジョーネ / ティツィアーノ / フレスコ / 壁画 / ヴェネツィア |
研究概要 |
1508年に竣工したヴェネツィアの「ドイツ人商館」(現中央郵便局)の外壁には、1507年から1510年までに制作されたと考えられるフレスコ画があったが、僅かな断片を除いて消滅してしまった。これを断片の様式や後世の模刻版画、そして文献史料等を加えて推測すると、概ね次のようになるだろう。 大運河側壁面(西壁)=ジョルジョーネ制作: 《裸婦立像》(ヴェネツィア、アカデミア美術館)、《翼をつけたプットー》(ソルトウッド城)、《裸婦立像》等のザネッティ版画、《天使にかしずく女性》(ヴァザーリ)、《戦利品》(リドルフィ)等々。 メルチェリーア側(南壁)=ティツィアーノ制作: 《ユディト》(ヴェネツィア、フランケッティ美術館)、《ギガンテス怪獣の闘い》等の断片(同)、《カルツァ・クラブ会員》等のザネット版画等々。 しかし配置すべき壁面や壁面内の位置には不明な点が多い。今回の調査によって《ユディト》断片と南玄関壁をつぶさに観察し、両者の合成写真を作成することができたのは大きな収穫だった。そしてとの図像は《ユスティツィア》(正義)とする解釈の方がより適切であることも確認できた。またこの人物像は、ジョルジョーネの《裸婦立像》(西壁)がそうであるように、画家ティツィアーノの絵画様式を典型的に示している。同時にそれはティツィアーノ芸術その後の発展への出発点ともなるもので、この研究課題をさらにヴェネツィア絵画の発展史の研究へ向けさせることともなった。
|