研究概要 |
1.大型の複合画像立体ビデオディスプレイシステムを開発した.この装置により,従来より広画角・高解像度の立体映像提示か可能になった.人の視覚は、約180度の広い視野の情報を受け入れ、また、高解像度の視野の中心部でパタン認識を行っている。本研究で開発した広画角・中心部高精細立体画像提示装置により、ビデオカメラの映像を通しての空間認識においても、これまでの装置よりも高精度、かつ高能率に行ない得ると考えられる. 2.当研究室所有のシースルー型ヘッドマウンテッド型立体映像装置を用いて,人工現実感空間と現実空間における観察者の眼球の輻輳点の違いと、奥行き方向の知覚距離について調べた.その結果,現実空間および人工現実感空間における輻輳点位置に差はないことが明らかになった.また,観察者の見えの位置に関しては,主観的な見えの位置が人工現実感空間と現実空間とでは異なることが明らかになった.人工現実感空間と現実空間において,輻輳点に差が認められないにも関わらず,見えの位置が異なる原因として,輻輳から得られる情報以外に物体の明るさ,質感等の奥行き手掛かりがより強く奥行き感に影響していることが考えられる.
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