研究課題/領域番号 |
14510105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 千葉大学 (2003) 大阪府立大学 (2002) |
研究代表者 |
木村 英司 千葉大学, 文学部, 助教授 (80214865)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 視覚情報処理 / 空間的体制化 / 色覚 / 運動からの構造復元 |
研究概要 |
本研究では、空間的体制化(類似した性質をもつ要素を互いに関連づけて空間的にまとめると同時に、性質の異なる周囲の要素から分節する働き)の情報処理過程を解明するために、特に色情報に基づく体制化に焦点を絞って検討した。本研究の成果は、以下の二つに大別することができる。 a)空間的体制化の情報処理過程に関する研究:空間的体制化における色情報処理と輝度情報処理の相互作用に関して詳しく検討した。その結果として、空間的体制化の処理においては、色情報と輝度情報が複雑な相互作用を示すことが明らかとなった。例えば、色情報に基づく刺激の体制化は、ランダムな輝度変動を加えることにより促進されうることが観察されたが、この逆に、色度変動によって輝度刺激の体制化が促進されることはなかった。こうした相互作用は、刺激の空間的な分布によって変化し、刺激要素を隣接させた場合には、輝度情報と色度情報に基づく空間的体制化は、広いコントラスト範囲にわたってほぼ独立に行われることが明らかとなった。 b)空間的体制化の処理過程と他の視覚情報処理過程の関係の検討:運動からの構造復元と色情報による空間的体制化(分節)との関係について検討した。その結果として、視覚的特徴の分節を促す色の手がかりを加えた場合には、2次元の投影画像から元の3次元物体の構造をより正確に復元できることが明らかとなった。ただし、分節のための色の手がかりの効果は、空間条件に応じて変化した。 以上の結果は、空間的体制化の処理過程の諸特性や他の処理過程との関係を明らかにするとともに、空間条件に応じて体制化のための情報処理が変わることを示唆するものであり、さらに研究を進めて、空間条件に応じた体制化処理を解明していく必要があろう。
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