研究概要 |
本研究の目的は,若年男女のキャリア形成意識が実際の就労経験によってどのように変化するのか,キャリア形成意識およびキャリア形成がジェンダー観,理想のライフコース意識,就労意識とそれぞれどのように関連しているのか,さらにキャリア形成がどのようなデモグラフィック要因・職場環境要因・心理学的要因によって規定されるのかを社会心理学的な縦断的研究(パネル調査)によって明らかにすることである. 東北大学文系卒業生を対象者にした平成11年度および13年度の2度の質問紙調査に続き,平成16年に第3回目の質問紙調査を実施した.調査対象者は第2回調査の回答者全員(173名)で,有効回収率は86.2%(131名.転居先不明の21名を除く)であった.本年度は,第3回調査のデータの分析および考察を行ったのみではなく,第1回調査のデータ,第2回調査のデータをそれぞれ第3回調査のデータと関連づけて分析を行った結果もまとめた.なお,分析に際しては,単純集計,クロス集計,因子分析に加えて,縦断的研究の特性を生かし,因果関係をさぐるべく重回帰分析を用いた. 上記質問紙調査の結果を検討し,第3回調査回答者のうち8名(男女各4名,フルタイム雇用者およびパートタイム雇用者)を対象に面接調査(非構造化面接法)を行い,質問紙調査のみでは不明であった就労状況,就労意識の変化,転職の理由,今後の計画などについて詳細なデータを収集した. 本年度研究成果を報告書「若年男女のキャリア選択規定要因に関する縦断的研究I-質問紙調査-」にまとめ,回答者(希望者のみ)に配布した.
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