研究課題/領域番号 |
14510120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
数井 みゆき 茨城大学, 教育学部, 助教授 (20282270)
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研究分担者 |
中島 聡美 国立精神神経センター, 精神保健研究所・成人精神保健部, 室長 (20285753)
森田 展彰 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10251068)
後藤 宗理 名古屋市立大学, 人文社会学部, 教授 (90115569)
松村 多美恵 茨城大学, 教育学部, 教授 (70091866)
有園 博子 茨城キリスト教大学, 短期大学部, 助教授 (70282366)
林 延哉 茨城大学, 教育学部, 助教授 (60282274)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アタッチメント / 愛着障害 / 子ども虐待 / トラウマ反応 / 保育士の認識 / アタッチメント(愛着)障害 / 心的外傷障害 / 尺度作成 / 乳児院保育者 / 乳児の心的外傷障害 / 乳児の愛着障害 / 乳児院 / アセスメント |
研究概要 |
本研究では、乳幼児期における不適切な養育を受けた子どもに対する、アタッチメントと心的外傷経験のスクリーニングを可能とする尺度作成が主目的であった。重篤な虐待については医学・法学・社会福祉的な観点での研究が進む中、軽度〜中程度の虐待被害にあっている子どもを見つけ出し、適切な治療を受けさせ、予後の発達を保障することが今必要とされている。そのため、保育士や保健師、幼稚園教諭などの乳幼児に関わる者が簡便に使え、かつ、判定度が高い尺度が必要となる。 ここでは、約2000名の保育士に協力を求め、0-2歳児用、3-5歳児用、障害児用の尺度について、アタッチメント、愛着障害、トラウマ的出来事、トラウマ反応等に対する回答を求めた。その結果、虐待が疑われる乳幼児において、特に愛着障害の因子が5つ見出された。基本的に、親との愛着が深刻なまでに不健全であるとされる「安全基地行動の歪曲」の下位分類にあたる、自らを危険にさらす行動や抑圧、過剰応諾などが取り出された。また、0-2歳児でも3-5歳児でも、心理的虐待の疑いのある場合に、もっとも多くのトラウマ反応の特徴(画一的な遊び、からだの引きつり、用心深い、集中できない等)が見出された。身体的虐待においても類似の特徴が見られた。ただし、虐待はある1つの種類が単独で起こるというよりも、複数が同時に起きている可能性が高いので、症状の重なりも当然起こりうるだろう。 また、トラウマ反応を従属変数とし、アタッチメントの安定性、愛着障害、保育者の虐待推測の3変数を階層的重回帰分析で検討したところ、トラウマ反応をもっとも予測したのは、愛着障害であった。つまり、なんらかの愛着障害の特徴が見られるということはまず、虐待されている可能性があり、かつ、トラウマ反応を引き起こす程度に不良な状態であることが考えられる。
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