研究課題/領域番号 |
14510122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
太田 信夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80032168)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 記憶高進 / 忘却 / 生涯発達 / 過程分離手続き |
研究概要 |
記憶高進とは、記憶すべきいくつかの項目を提示し、その後、連続的に複数回の記憶テストを行うと、その記憶成績が徐々に向上することをいう。本研究では、この記憶高進と忘却について、その原因の一端を探ると共に、生涯発達的な観点からも検討することを目的とした。5つの研究が行われた。研究1では、記憶高進研究のレヴューを行った。そして理論的検討および今後の研究動向を示唆した。研究2では、その示唆に基づいて、潜在記憶研究のひとつの手法であるRemember/Know手続きを用いて、再認・手がかり再生・自由再生における記憶高進と1週間後の忘却が検討された。結果として、一部、記憶高進は認められたものの、全体的には記憶高進は生起しなかった。しかしRemember/Know反応の割合において、いくつかの新しい知見が得られた。研究3では、理論的問題の解決を求めて、無関連ペアドルードル課題を用いた記憶高進を、再認と再生テストにおいて検討した。そして学習課題の統合性が、記憶高進にとって重要であることがわかった。研究4では、記憶高進の生涯発達的変化について検討するため、3つの実験を行った。実験1では、幼児(3、4、5歳児)を対象に、実験2では児童(小学2,5年生)を、そして実験3では大学生と高齢者を対象に記憶高進の実験を行った。その結果、幼児と高齢者には記憶高進がみられず、児童と青年(大学生)には、記憶高進がみられた。この原因としては、幼児と高齢者は、児童や青年と比べ、loss項目(前のテストでは想起できたが、次のテストでは想起できない項目のこと)が多いことが示された。研究5では、過程分離手続きにより、記憶高進と忘却における記憶の意識的・無意識的成分について検討した。その結果、記憶高進も忘却も、無意識的成分より意識的成分の方が、主に関与していることがわかった。
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