研究概要 |
平成14年度は,(1)分散効果の原因が記憶活性度の変化量にあるとする活性化量理論(水野,1996-2001)が,形態・音韻・意味処理を反復した際の再生率を処理水準説よりも合理的に説明できることを検証し(水野,2003a,2004a-次頁掲載順alphabet),(2)本理論に基づいた効果的な分散学習方式,改良Low-First方式のa.教育工学的な応用可能性(水野,2002a),b.効果の均質性(水野,2002b),c.効果の持続性(水野,2002c),d.動機づけ効果(水野,2002d,e)を立証した. 平成15年度は,(1)活性化量理論が3種の処理を異なる順序で反復した際の再生率をも処理水準説より的確に予想・説明できることを検証するとともに(水野,2003b,c),(2)改良Low-First方式のCAIにメタ認知的モニタリングを促進するマルチメディア・フィードバック追加してその効果を実験的に検証し(水野,2003d,e;Mizuno,2004),本方式のe-learningシステムでの応用可能性を国際会議で発表した(Mizuno,2003). 平成16年度は,(1)活性化量理論が平成15年とは異なる条件で反復した際の再生率をも的確に予測しうることを確認した上で(水野,2004b,c),新たに本理論が維持・精緻化リハーサルの再生率の違いをも的確に予想・説明しうることを検証し(水野,2004d,2005a),その記憶定着メカニズムの包括的説明理論としての妥当性を立証するとともに,(2)フィードバック機能を付加した改良Low-First方式を様々な教材のe-learnimgシステムに適用して教育実践で利用し,その効果・効率・学習者の評価が高いことを実証し,実践的利用に足るe-learningシステムを構築した(水野,2004e,2005b).
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