研究課題/領域番号 |
14510131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
唐沢 かおり 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (50249348)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 集団間支援 / 内集団同一視 / ステレオタイプ / 仮想世界ゲーム / 責任帰属 / 罪悪感 / 対人態度 / 怒り / 共有認知 / 集団間相互作用 / 集団間援助・協力 / 自己統制 / 自動的過程 |
研究概要 |
本研究は、集団間での援助や協力に関与する社会的認知過程の基礎過程を明らかにするとともに、集団間相互作用展開を説明するうえでの社会的認知過程の妥当性を検討し、下記の3つのプロジェクトでそれぞれの成果を得た。 1.対人認知・対人行動の背景にある社会的認知過程の基礎を解明するための実験・調査研究: 主として、他集団ステレオタイプ的判断の促進、抑制要因に関する研究を行い、ステレオタイプ連合に対しての負の強化によって、活性化が抑制される可能性を示すとともに、自尊心関連動機が、顕在的態度としてのステレオタイプ的判断を促進するだけでなく、潜在的態度としてのステレオタイプ適用を促進する可能性を論じた。 2.仮想世界ゲームを用いた、集団間相互作用内における社会的認知過程の解明研究: 仮想世界ゲームから収集したデータを元に、支援を必要とする事態に関わる状況認知(相互依存関係,不公平さの認知など)が、罪悪感、非難などの道徳的感情を生起させ、それらの感情が特定の対人行動意図につながるという枠組を示した。 3.実社会における他集団(または特定の社会的カテゴリーに属する他者)支援の規程要因を解明するための実験・調査研究: 苦境にある高齢者や女性に対する支援を対象に、調査研究を実施し、これまでの実験的検討で得られた社会的認知過程をおおむね支持する結果を得て、「責任帰属→感情(非難・同情・罪悪感)→支援」という認知・感情モデルが妥当であることを示唆した。 以上、一連の研究からは、他集団に対する支援やそれに関連する相互作用は、社会的認知の基礎過程としてのステレオタイプ的判断、認知・感情の相互影響過程に基盤を置くことが示され、社会的認知のパラダイムの有効性が示唆された。したがって、社会的認知過程の観点から、対人行動、対集団行動の規程要因を解明していくことが今後も求められる。
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