研究課題/領域番号 |
14510137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大坊 郁夫 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (50045556)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 社会的スキル / 対人コミュニケーション / 言語的コミュニケーション / 非言語的コミュニケーション / 同調傾向 / 発話 / 顔面表情 / 解読 |
研究概要 |
1)3者間会話における発話行動と他者認知との関係 話し合いの進め方について、互いに親しくなることを意図させた親密条件、あるいは、話題を提示し、結論を出すように話し合う討論条件を設定して(18分間、対面状況で男女同性3人による)行った会話データ(23組)を用いて、逐語記録化し、発話行動のコード分析(トピックの開始、情報追加、具体化、要約等)を行い、両条件間の比較を行った。討論条件では、具体化、要約などの比率が多く、話を深化させるのに対し、親密条件では浅いが多様な情報交換の特徴を示す。また、親密条件では発話量が多いことは話しやすさと結びついており、発話スタイルと他者認知との関係についていくつかの知見が得られた。 2)解読実験 上記会話実験データの中から、討論、親密化条件、男女各1組の話し合い場面を各2分間抽出し、これを男女大学生393名(1群:202、2群:191名)に提示し、話し合いのまとめ、和やかさ、緊張度についての評定、その手がかりとしての非言語的コミュニケーション(NVC)・チャネルについての評定を求めた。なお、提示に際し、既知・未知との情報を操作して、この情報との関連も検討した。その結果、まとめの程度の判断は手の動きの多寡、和やかさではうなずきと顔面表情、緊張度は視線、発言が手がかり性を有していた。非言語的表出性の高い人は場をまとめているという評定をより強く行う傾向も認められた。いくつかのチャネルについては、性差も認められた。 3)会話行動に見られる同調傾向と印象形成との関係 初対面16組のデータを基にして、NVCの類似化の現象、および、うなずき、視線行動が会話満足度や対人的な印象にどう関係するのかについて検討した。うなずきは討論条件で会話満足度や好印象と、親密条件では笑顔が好印象をもたらす(討論条件では逆)など、NVCの機能が脈絡依存であることが認められた。また、二者・三者が同じにうなずくことが会話満足度と有意な相関を示すことなども示された。 4)社会的スキル・トレーニング 参加募集に応じた男女大学生2群(15、16名)を対象として、週1回9セッションのコミュニケーション・スキル向上を目指した実習を行った。その結果、実習前後で、積極性、表現力等の有意な上昇が確認された。さらに、個人差との関係を勘案してプログラム内容の改良を検討しつつある。
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