研究課題/領域番号 |
14510144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
神山 貴弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (00263658)
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研究分担者 |
高橋 超 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80033554)
石井 眞治 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60112158)
森 敏昭 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10110834)
井上 弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10201336)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 異校種交流 / 異年齢交流 / 社会的スキル / 対人態度 / 環境適応 / 規範意識 / 達成動機 / 共感性 / 幼稚園児・小学生 / 環境移行 / 縦断的研究 / 適応 / 小・中・高校生 |
研究概要 |
本研究では、異校種間の子どもの交流が子どもたちにもたらす教育的効果を、横断的および縦断的研究手法を用いて、多角的な視点から検証した。初年度(H14年度)は、小学生(555名)、中学生(526名)、高校生(883名)を対象として横断的調査を進めた。異校種交流とあわせて日常的な異年齢交流についても尋ね、両者の違いについても検討した。その結果、異校種交流であれ異年齢交流であれ、異年齢の他者とかかわることは子どもたちにポジティブな効果をもたらすことが明らかになった。ただしその効果はそれぞれ特徴的であり、例えば、小学生の場合、異校種交流を行っている子どもの方が、年下に対する態度(評価・感情・意欲)および年上に対する態度(感情)が肯定的であること、および自身の自己充足的達成動機および抑制的規範意識が高いことが示された。また、日常的に異年齢の子どもと交流がある子どもの方が、年下に対する態度(意欲)が肯定的で、中学生に対する印象のうちの活動性に対する評価が高いこと、そして、年下および年上に対する社会的スキルも高いことが示された。 2年目(H15年度)は、幼稚園児と小学生との年間を通しての継続的な交流活動(ペアを組んでの年4回の活動)に焦点をあて、その教育効果について検証を行った。小学生・園児ともに毎回、校種を越えた交流に非常に肯定的態をもつことが明らかになった(肯定的回答の割合90%弱〜95%前後)。また毎回活動後の園児保護者の気づき・感想からも、園児が小学生との交流を毎回楽しみにし、普段以上に園での様子を話すことが示された。こうした交流に対する肯定的な評価は園児の小学生に対するイメージにも反映されて、活動後は活動前より肯定的イメージが各指標とも10ポイント程度上昇し90ポイント強となった。異校種交流活動では、子どもたちが他者を意識し行動するために、様々な効果を生む契機となることが教員インタビューからも示された。 最終年度(H16年度)は、昨年度、1年間にわたって小学生との交流活動を経験した園児が小学校に入学後、どのような環境適応を示すかに焦点をあて、その検討を行った。交流経験の有無によって、入学時の適応状態に違いが見られるかどうか検討を行った結果、児童自身には顕著な違いは見られなかったが、その保護者においては児童の学校適応に交流が有用であったとする結果が示された。
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