配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
1.スワンソン認知プロセス検査日本語短縮版を作成し,健常児(3年生〜6年生)に実施した。 (1)信頼性と妥当性 再テスト法により信頼性が,小学生用日本語版RSTとの相関により妥当性が検証された。 (2)作業記憶の発達 作業記憶の得点には,中学年(3,4年)と高学年(5,6年)間で差が認められ,すべての下位テストでも学年間に差が認められた。つまり,作業記憶は学年が上がるとともに発達していくことが確かめられた。 (3)日米間の比較 日米間の比較では,聴覚的数字範囲記憶課題で,日本での成績が有意に低かった。原因は課題として使用した場面が,日本では一般的ではないという文化的な差が考えられる。 2.読みと音韻意識と作業記憶の三者関係を,健常児(4年生〜6年生)で検討した。 (1)本研究では、石坂他(2004)の構成モデルにおける読みと作業記憶、読みと音韻意識には相関が認められなかった。 (2)しかし、作業記憶の二種の下位課題と音韻意識の三種の下位課題で、さらに読みとの相関を検討したところ、音韻意識の音韻削除課題で読みとの相関が認められた。 (3)このような結果になった原因は、音韻意識課題としてとりあげた無意味音節逆唱課題と音韻削除課題・無意味音節復唱課題が、それぞれ別の能力の測度であることを示しており、音韻意識を測る課題自体の再検討が必要であると考えられた。 3.今後は、さらに学習障害児のデータを収集しながら,各音韻意識課題で測られる能力が読みにどのように関連しているのかを検討する。
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