研究課題/領域番号 |
14510170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大藪 泰 早稲田大学, 文学学術院・文学部, 教授 (30133474)
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研究分担者 |
越川 房子 早稲田大学, 文学部, 教授 (80234748)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ジョイント・アテンション / 社会的認知 / 模倣行動 / 情動調律 / 母子間の抱き / 模倣 / アフォーダンス / 意図性 |
研究概要 |
生後9か月から30か月児とその母親を対象に、子どものジョイント・アテンション(以下、JAと表記する)行動の観察実験を行った。参加者数は、実数で138組、延べ観察回数で380回であった。今回の分析は各組の初回観察時のものを対象にした。観察場面は、叙述場面として「鯨の縫いぐるみ」「鳥の鳴き声」、要請場面「あれが欲しいよ」「助けをもとめる」、交流場面「音楽ごっこ」「順番ごっこ」、会話場面「思い出」「これから」、さらに本研究の途中から「額押し模倣」場面を追加し計9場面であった。各場面は5分ほど要し、全場面がビデオテープに録画された。各場面に適切な行動コードを作成し、観察者間信頼性を確認のうえ、ビデオテープから行動分析を行った。 次に主たる研究知見を記述する。1.視覚刺激(「鯨」の縫いぐるみ)へ母親の注意を誘導するJA行動は、生後15か月から活発化し、21か月以降にはシンボルも加わった。2.聴覚刺激(鳥の鳴き声)への誘導的JA行動の出現は、視覚刺激より6か月程度遅くなった。3.「鯨」に無視した母親がそれに気づき、子どもと共有しようとしても、9か月児の「鯨」を見る時間は短くなったが、12か月以上の子どもは「鯨」を見る時間が長くなった。4.会話場面では「不在対象」に対する表象水準の行動が分析され、「過去」場面のほうが「未来」場面より表象的JAの出現が早かった。5.額押し行動に対する模倣行動(抗アフォーダンス模倣)は、生後15か月の口押し模倣から、21か月以降の額押し模倣へと発達した。6.子どもが抱かれた状態で母親とJAすることが上達するのは、生後12か月以降であった。7.「鯨」場面でのポジティブな情動は、母親が「鯨」を無視する場面で生じやすいが、ネガティブな情動は「母親」が「鯨」に気づいた場面で生じやすかった。
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