研究課題/領域番号 |
14510178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
宮原 哲 西南学院大学, 文学部, 教授 (40190805)
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研究分担者 |
今堀 義 西南学院大学, 文学部, 教授 (00309858)
オルソン ドゥエン 西南学院大学, 文学部, 教授 (80226365)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 間人主義 / 対人コミュニケーション / 公的コミュニケーション / 集団主義 / 個人主義 / 人間関係 |
研究概要 |
本研究は、日本人のコミュニケーションの特徴を新たな日本文化独目の尺度を用いて解明することを目的に行った。これまでの欧米主導型のコミュニケーション研究では、欧米の存在論と認識論を日本人に当てはめようとしてきた。しかし、これでは日本人のコミュニケーションの特徴を解明することはできない。本研究ではこれらの問題点を起点として、浜口の「間人主義」と「間人」の概念を中心に日本人のコミュニケーションを日本人の目で見た方法で解明することを試みた。 平成14年度には、七名の日本人コミュニケーション研究・教育者と、質的なインタビューを実施し、その結果、対人および公的コミュニケーションにおいて、欧米型の手法では、「間人」のように総括的にコミュニケーションのプロセスをとらえている日本人のコミュニケーションを理解できないであろう、という結論が導かれた。 この結論をもとに、平成15年度には、日本全国に在住する23歳から74歳の男女1500名にアンケートを配布し、215名の回答者から得られた「コミュニケーション」ということばの定義と公的コミュニケーションの状況に関する回答を分析した。結果として、6割程度の回答は、「コミュニケーション」ということばを欧米文化のように「行動」としてとらえていたが、4割の回答は、「コミュニケーション」を相手との相互関係や、場・状況など、「間人」的な概念としてとらえている事が分かった。公的コミュニケーションの状況においても、日本人の回答には、欧米型の「説得」を重んじるものもあったが、「間人」として話者と聴衆の間に存在する「場」を共有することを強調している回答もあった。 日本人のコミュニケーションがすべて「間人主義」的である、という結論は得られなかったものの、欧米型のコミュニケーション存在論や研究方法論では、理解できない面があることが実証された。
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