研究課題/領域番号 |
14510184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松岡 昌則 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70111242)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 農村高齢者 / 生活補完 / 生きがい / 村落機能 / 近隣関係 / 生活互助 / 村落 / 日常的社会関係 / 福祉資源 / 村落構造 |
研究概要 |
対象地として秋田県山本郡藤里町および地区としての米田地区を選定した。高齢者の生活補完に対する村落の動向を検討し、現代における村落がどのような機能において、補完を可能にしているかを分析してきた。そこでは高齢者の日常生活を日常の生活要求と行動、社会参加や楽しみの状況を検討し、村落住民による生活の安全確保、相互監視、緊急対応、危機管理が高齢者のもつネットワークにもとついて日常的に行われており、高齢者の生活維持にとって大きな役割を果たしていることが確認された。また地域農業の経営は大きく高齢者に依存しているが、高齢者にとっての農業は菜園を含めて生きがいのうえで、重要な意味をもっている。 また、高齢者の日常的な社会関係は、個人のおかれた基本属性に大きく規定されながらも、個人の主体的な生き方による関係相手の重心の移動があらわれ、旧来の社会関係に対する変化があらわれていることが検証できた。 全体として、村落の日常的社会関係と種々の行事を通して、農村高齢者は地域のなかに位置と役割をもちながら生活を維持している。 ただ、このような日常的な生活と満足は、介護を要する在宅福祉としては、農村の社会関係の互恵的・双務的な性格から、面としての展開は弱く、村落における伝統的な近隣組機能と任意による善意の統合が望まれる。そして調査対象地では、町としての定住条件の整備を着々と進めるとともに、日本村落が長く持ち続けてきた「みんな」の思想を、現代に組み替える作業を通して、農村高齢者の定住意欲に応えるための地域的展開をはかっていることが検証できた。 その意味で、現代における村落機能は、今日的な意味において重要な役割をもっているということができる。
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