研究課題/領域番号 |
14510208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
中村 文哉 山口県立大学, 社会福祉学部, 助教授 (90305798)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ハンセン病 / 沖縄 / 沖縄・愛楽園 / 差別問題 / 社会調査 / ライフヒストリー / 「生きること」の現象学 / キリスト教 / 愛楽園 / 「らい予防法」 / 葬制 / 生活史 / らい予防法 |
研究概要 |
本研究は、国立療養所「沖縄・愛楽園」の入園者からの聞き取り調査をもとに、沖縄社会の歴史的現実を踏まえ、沖縄におけるハンセン病問題の諸相について考察することを軸に展開された。本研究期間では、ある「愛楽園」入園者の生活史から、「愛楽園」開園以前のハンセン病患者の治療法、ハンセン病死者の葬儀のあり様を踏まえ、沖縄社会におけるハンセン病患者に対する差別の現実を考察した。この考察を踏まえると、ハンセン病患者は「死者」とみなされ、地縁的・血縁的な社会関係から排除される位相が明らかになる。それゆえ、ハンセン病患者にとって、「愛楽園」は、ゴッフマンのいう「アサイラム」としてだけではなく、V.ターナーのいう「コミュニタス」、あるいは「アジール」(避難所)としても捉え返すことができる。本研究では、この点を理論的に示した。 本研究では、さらに、(1)「戦前から戦後復興期にかけての『愛楽園』の日常生活の構成」、(2)「入園者の世代に関する考察」、(3)「『愛楽園』内の信仰生活」の課題を設定したが、十分な考察には至らなかった。 (1)については、当該期間の沖縄社会の歴史的現実を把握するための基礎資料の蒐集に多大な時間を費やした。(2)については、この間の「国賠訴訟」での勝訴判決をうけ、若い世代の退園(社会復帰)が進んだことにより、調査不能となった。(3)については基礎資料の蒐集が難航したことが原因で、十分な考察には至らなかった。(1)(3)の課題については、本研究期間で得られた基礎資料をもとに、今後も研究を進める必要があることが確認された。
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