研究課題/領域番号 |
14510216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鹿又 伸夫 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30204598)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 階層 / 世代間移動 / 移動機会格差 / 世代内移動 / ロジスティック回帰 / 全体的機会格差 / 移動機会 / 機会不平等 / 地位継承レベル / 時代効果 / コーホート効果 / 年令効果 |
研究概要 |
日本社会の世代間移動における機会格差が時間的にどのような変化をしてきたかについて、時代・出生コーホート・年齢による変化を区別しながら分析した結果、次の知見がえられた。まず、移動表の対数オッズ比をもちいた分析から、世代間移動の機会格差の時間的変化に、時点別や出生コーホート別の世代間移動表の比較ではとらえられない複雑な変化が確認された。ついで、ロジスティック回帰の応用モデル移動機会格差(地位継承傾向)を推定する分析方法(およびログリニアモデル)によって、次の3点が明らかになった。第1に、移動機会格差の時間的変化として、高年齢ほど低下する変化がとくに顕著であった。第2に、社会全体としてみた全体的機会格差は、時代的な変化とコーホートにともなう変化が合成された結果、縮小して平等化してきた。第3に、「世代間移動における移動機会格差」にたいして、「世代内移動」が平等化する効果をもっていた。この点は、多くの階層(とくに自営層)で確認された。 結局、日本の移動機会格差は、初職までと現職までの移動における機会格差は、それぞれ異なる時間変化をしており、それらの変化をもたらした要因も異なっていた。初職までの移動における全体的機会格差は、農業継承層の急減によって出生コーホートにともなって平等化し、父階層の継承から学歴による配分に大きく変貌していた。現職までの移動における機会格差は、世代内移動によって影響されて、初職までの移動における格差レベルよりも高年齢ほど低下して、世代内移動によって平等化していた。つまり、分析の結果は、農業層の縮小、学歴による初職への配分原理の浸透、世代内移動の平等化効果などによって、日本社会の移動機会は1990年代まで、平等化してきた変化をしめしていた。
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