研究課題/領域番号 |
14510229
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
河西 宏祐 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20015837)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 規制緩和 / 労使関係 / 交通産業 / 経営合理化 / 労働組合 / 電産型賃金 / 契約社員 / 私鉄産業 / 労使関 / 賃金制度 / 規制綬和 |
研究概要 |
(1)本研究は、交通産業における最近の規制緩和による経営合理化が労使関係に与える影響を実証的に把握することを目的とした。 (2)調査研究の結果、交通産業は重大な経営合理化に直面している事実が明らかとなった。長引く経済不況やマイカーの増加、少子化などが原因となって利用者が減少し、収益率が大きく落ち込んでいる。加えて、2002年4月の規制緩和によってバス業種への参入が自由化されたため市場競争が激化しており、各社とも各種のリストラ策(社内カンパニー制、分社化など)を強力に進めている。 (3)交通産業は労働集約型産業であるため、人件費の削減が経営合理化の焦点であり、各社とも人事管理策の転換を急いでいる。その結果、労働条件の切り下げ、労働密度の強化、出向・配転・降格・人員整理などのリストラ策がとられ、各産業のなかでも、最も労使関係が緊迫の度を加えている。 (4)最近の労使交渉の焦点は従来の年功賃金(電産型賃金)の是正問題になっている。そのため、本研究でも実態調査と平行して電産型賃金の形成に遡って、その歴史的性格の検討を行うことが必要となった。したがって、電産型賃金に関する諸資料の収集や、関係者への聞き取り調査を進め、その歴史的研究を行った。 (5)現状に関する最大の変化は、契約社員問題である。ここ数年、新採用は契約社員に限定されており、従業員総数に占める契約社員の比率は約40%に近づいている。したがって、労使交渉は契約社員の組合員化、およびその労働条件を巡って緊迫化の土を加えた。その結果、勤続3年後の正社員への登用、組合加入が労使合意された。これは全国的にも珍しい事例であり、注目に値する。同時に契約社員と正社員の賃金格差、労働条件格差が問題となり、労使交渉はさらに緊迫している。これらの実態について調査研究を行った。 (6)以上のように、本研究は当初の研究テーマに関して実態調査研究、歴史的研究の双方から分析を進め、成果を収めた。しかし、事例そのものがドラスティックに変動している最中であり、今後ともさらに調査研究を進め、その動向についての分析を進めたい。
|