研究課題/領域番号 |
14510246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 西南女学院大学 |
研究代表者 |
杉谷 修一 西南女学院大学, 保健福祉学部, 助教授 (70253375)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 隙間的遊び / ルーティン / 成員カテゴリー化 / 小学生 / 焦点化された相互行為 / 周辺的相互行為 / 拡散的会話場 / 相互行為の境界 / 予期 / 拡散的な会話場 / 遊び / 子ども / カテゴリー化 / 相互作用 |
研究概要 |
本研究は小学生の集団遊びの様子を相互行為の観点から理解するために、隙間的遊びの概念を検討することから始めた。隙間的遊びは主たる活動(授業、掃除等)の中にごく短い時間出現する遊び行為を指す。隙間的遊びの概念は相互行為としての遊びの境界線をとらえ、また、子どもと大人との関係において遊びを位置づけるのに有効であると考えられた。小学校における観察調査によって得られたデータ(エピソード単位で検討された)により、次のような知見が得られた。隙間的遊びは(1)主要な活動に対する異化である。(2)相互行為の道具として利用される。(3)相互行為からの潜在的逸脱である。(4)そこには子ども-教師間の不均衡な参加がみられる。(5)子ども同士に共振現象がみられる。 このような特徴を検討する中で、隙間的遊びは授業等の非遊び活動にのみ位置づくものではなく、遊び活動そのものの中にも現れる現象であると考えられるようになった。そこで、観察対象として本来の目的である集団遊びを新たに加え、そこでのエピソードの分析を進めた。分析の枠組みとして、相互行為の核であるルーティンを設定し、それとの関連で隙間的遊びを位置づけた。また、参加者の行為が相互的に達成されるプロセスを成員カテゴリー化の概念を用いて分析した。 その結果、小学生の遊びは拡散的な会話場において焦点化された相互行為と周辺的相互行為によって構成されているという特徴がみられた。それをもとに参加者の志向と相互承認の関連で遊びの境界が構成されるとする共時的モデルが作られた。それから、参加者個人の側からとらえた遊びの相互達成に関する通時的モデルが検討された。この二つのモデルは子どもの遊びを相互行為レベルで研究するための枠組みとなりえるだろう。具体的にはエピソードの事後的構成や隙間的遊びをめぐる重層的なの相互行為の進行などを説明する手がかりとして期待される。
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