研究課題/領域番号 |
14510270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
別府 哲 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (20209208)
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研究分担者 |
池谷 尚剛 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70193191)
辻井 正次 中京大学, 社会学部, 助教授 (20257546)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 高機能広汎性発達障害 / 愛着 / 他者の心の理解 / 自他分化 / 心の理論 / 象徴機能 / 軽度発達障害の理解 / 教師による認識 / 社会的相互作用 / 幼児期 / 発達経過 |
研究概要 |
高機能自閉症児1例の、3歳から6歳までの愛着関係、自他分化、他者理解を、多面的観察記録(療育センターでのVTR記録、個別指導記録、保育園と家庭での記録)によって分析・検討した。その結果、高機能自閉症児は、就学前の時期において、愛着行動を示さない時期→道具的安全基地として愛着対象を求める時期→心理的安全基地として愛着対象を求める時期、の順番で発達的に移行することが明らかにされた。これは、従来自閉症の愛着関係の研究でその存在が示されてきた「道具的安全基地」としての愛着関係だけでなく、少なくとも高機能自閉症児の場合、Bowlbyのいう「心理的安全基地」としての愛着関係も形成可能であることが示された。そしてその移行に際しては、「道具的安全基地」としての愛着関係を築いたところで生じる、他者の指示に従う従属傾向が、他者の態度を自分が取ろうとする他者の態度への同一化(Hobson,1993)に変わること、すなわち自他関係の発達が大きく関与していることが示唆された。この「道具的安全基地」のレベルで、自他関係は「大人の指示に自らを従属させる固定化した自他関係」から「愛着対象に、自分の指示に従属することを要求する固定化した自他関係」、そして「互換性のある自他関係」に変容すること、この自他関係の変容が次の「心理的安全基地」への移行を可能にすることを示した。また、「互換性のある自他関係」は他者の態度への同一化を含んでいる。それは、自己視点の二重化とも関わっており、象徴機能が成立することと関連していた。他者の態度への同一化は、自閉症児の場合、他者の指示を拒否することとつながっており、その意味で就学前の拒否やそれに伴うこだわり行動、挑発行為の発達的理解や支援に示唆を与えるものである。
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