平成14年度は、初年度調査として、主に昭和50年代前半という比較的初期に重要無形民俗文化財に指定された以下の民俗芸能を対象に、その現状確認調査を実施した。「御宝殿の稚児田楽・風流」、「聖霊会の舞楽」、「綱火」、「春日若宮おん祭の神事芸能」、「幸若舞」「御頭神事」、「八戸のえんぶり」、「嵯峨大念仏狂言」。 平成15年度は、2年度目調査として、以下の民俗芸能を対象にその現状確認調査を実施した。また昨年度調査した民俗芸能のうち、必要なものに関しては追加調査を実施した。「聖霊会の舞楽」(追加調査)、「祇園祭の山鉾行事」、「市来の七夕踊」、「車大歳神社の翁舞」、「三河万歳」、「越前万歳」、「尾張万歳」、「豊橋神明社の鬼祭」、「アイヌ古式舞踊」。 平成16年度は、3年度目調査として、以下の民俗芸能を対象にその現状確認調査を実施した。「天津司舞」、「古川祭の起し太鼓・屋台行事」、「磯部の御神田」、「阿蘇の農耕祭事」、「京都の六斎念仏」、「伊勢太神楽」、「下呂の田の神祭」、「壬生狂言」。 平成17年度は、4年度目調査として、以下の民俗芸能を対象にその現状確認調査を実施した。「天津司舞」(再調査)、「壬生狂言」(再調査)、「住吉の御田植」、「祇園祭の山鉾行事」(再調査)、「安乗の人形芝居」、「奈良豆比古神社の翁舞」、「京の六斎念仏」(再調査)、「伊勢太神楽」(再調査)、「車大歳神社の翁舞」(再調査)、「湧出宮の宮座行事」。 これらの調査にあたっては、それぞれの指定時における芸能概要説明と、実際の公開状況を比較するとともに、可能な限り地元関係者からの情報収集を行い、指定後の変化等につき調査した。その結果、総じて指定時の状況が良く保持されていることは確認できたものの、その後の観客の増加等の影響による周辺環境の変化も一部に認められ、指定という行為による影響の実例をいくつか確認することが出来た。
|