研究課題/領域番号 |
14510378
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
吉岡 眞之 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (90290858)
|
研究分担者 |
島谷 弘幸 東京国立博物館, 文化財部, 展示課長 (90170935)
月本 雅幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (60143137)
田島 公 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (80292796)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 延喜式 / 九条家 / 訓点 / 紙背文書 / 古代法制史料 / 公家文庫 / 三條西家 / 延喜式のデジタル化 |
研究概要 |
本研究は国宝「九条家本延喜式」(全28巻、東京国立博物館所蔵。以下「本史料」と略す)の総合的研究を目的とする。本史料全体の原本調査はこれまで行われていなかったが、本研究によりそれが実現した。その結果、原本の破損箇所の様態、追記の筆跡と朱墨の判別、訓点の識別、料紙の種類と様態、紙背文書の様態、などを明確に把握することができ、今後の古代史料学研究の一つの基礎を樹立しえた。以下に主な点を列記する。 (1)重層的に加えられた追記の筆跡を判別することは、本史料の伝来の経緯と史料の性格を解明する上で基本となる作業であるが、原本調査によりその判別を可能にした。また追記の朱墨の判別も可能となり、追記の種類の識別と追記の段階的把握に道を開くことができ、本史料の持つ重層的構造の解明を可能にした。 (2)訓点の研究は、従来は主として仏典を中心に研究が進められてきたが、本研究により法制史料の訓点研究の基礎が固められた。特に原本調査によって虫損や他の墨痕などと訓点との識別、また訓点の朱墨の判別などがなされ、本史料に加えられた訓点の性格と年代観を明確にすることが可能となった。 (3)紙背文書は「延喜式」本文の書写年代を解明する上で最も重要な情報源であるが、裏打紙に遮られて、モノクロ写真では判読不能のものが多い。原本調査はこの障碍を除去し、紙背文書の全体的検討を可能にした。 以上の他、京都国立博物館所蔵「延喜式」、国立歴史民俗博物館所蔵「三条西本延喜式」などの写本調査、本史料を伝えてきた九条家の関連史料の調査、さらに広く公家文庫所蔵史料の調査を実施したことで、本史料の性格の解明に資する情報を収集することができた。
|