研究課題/領域番号 |
14510401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
鈴木 茂 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10162950)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 多文化主義 / 人種 / アフリカ系人 / ジルベルト・フレイレ / 歴史認識 / 歴史教育 / 混血社会論 / 市民運動 / 人種主義 / 歴史意識 / エスニシティ / 混淆 / ブラジル / アファーマティブアクション / 公共性 / 社会運動 / 労働者党 / 国民国家 / 文化混淆 / 奴隷制 |
研究概要 |
本研究の目的は、1980年代半ばからブラジルをはじめとするラテンアメリカ諸国で登場してきた「公定(官製)多文化主義」、すなわち国民やその文化を「多民族的」「多文化的」と公式に定義する動きについて、ブラジルの事例を中心に、その歴史的性格を明らかにすることであった。具体的には、(1)人種的・民族的マイノリティ(先住民とアフリカ系人)の存在を認め、その伝統文化の保存・発展や土地の共同所有等の特別の権利を認めた1988年憲法および関連法令の制定にいたる議論(2)アフリカ系人の権利擁護を目的として文化省に設けられた「パルマーレス基金」の活動内容とその成果(3)公定多文化主義を生み出した社会的背景、とくにアフリカ系中産層の登場とアフリカ系人の権利獲得運動の動向(4)初等・中等学校の歴史教育における多文化主義の影響、の4つの課題に取り組んだ。このうち、(1)と(3)については、民主化過程において大きな変化・進展があったことが確認でき、研究論文等でアフリカ系人の運動が「新しい社会運動」でも中心的な役割を果たしていることを論じた。一方、(4)については高校歴史教科書の翻訳にあわせ、ブラジルにおける歴史教育の理念と歴史認識の現状を紹介した。 また、今回の研究では、3回の現地調査を行ない、とくに(2)と(4)について最新の資料を入手するとともに、多くの政府および市民団体関係者、研究者とのインタビューや意見交換を行うことができ、大きな収穫をえた。これらの本格的な分析も今後残された課題であるが、報告書には1940年代から1960年代にかけてリオデジャネイロで黒人実験劇場(TEN)を主催し、民主化過程で連邦下院議員および上院議院を務めたアブディアス・ド・ナシメント氏へのインタヴューを録画したDVDを添付した。
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