研究課題/領域番号 |
14510403
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
下里 俊行 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80262393)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 19世紀後半 / ロシア / 絵入り新聞 / 東アジア / 表象 / スペンサー / グローバル化 |
研究概要 |
本研究の目的は、19世紀後半のロシアの絵入り新聞のようなメディアに現れた東アジア表象の諸問題を検討することであった。その結果、以下のことが明らかになった。 1.19世紀のロシア知識人のテキストに見る東アジア表象は、ヘーゲル哲学における歴史・地理的認識を前提としていたため、「他者」としてのアジアの認識論的次元だけでなく、半アジア的国家としてのロシアの社会・政治状況に対する自己批判をも内包していた。 2.ロシアにおいて絵入り新聞が台頭した主要な要因は次の通りである。 (1)西欧起源の視覚メディア文化のグローバル化。 (2)高級雑誌の言語中心文化に対して視覚的通俗文化を求めた新中間層及び女性の読者の増大。 (3)ロシア帝国の膨張に伴う新たな地理的知識の拡大。 (4)産業革命によって実現された発明品など博覧会的知識の登場。 3.この文脈のなかで次の4つの東アジア表象が観察された。 (1)啓蒙主義と社会進化論の影響下で形成された諸表象。 (2)ヨーロッパの市民的教養としての博物学的知識に立脚した諸表象。 (3)西欧列強による侵略の犠牲者としてのアジア人という表象。 (4)独自文明の中心の一つとしての東アジアという表象。 これら4類型の東アジア表象について、絵入り新聞以外のメディアでの表象に即して精査することが今後の課題である。
|