研究課題/領域番号 |
14510407
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
南川 高志 京都大学, 文学研究科, 教授 (40174099)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | ローマ帝国 / 属州 / ヨーロッパ / ローマ化 / 都市化 / 文化変容 / 文明化 / 軍団 / ローマ文化 / ロー化 / 軍国 |
研究概要 |
本研究は、ローマ帝国の支配下に入った今日の西ヨーロッパを対象として、ローマ人の統治がこれらの地域の歴史的発展にいかなる意義を有したのかを、具体的な調査に基づきながら考察しようとしたものであった。研究期間の4年間、私はイギリス、ドイツ、スイス、フランスでローマ時代の遺跡や博物館を調査し、またこれらの国々の研究機関で研究資料調査をおこなった。その際には、これらの国々の数多くの古代史研究者から協力を得たが、とくにイギリスのケンブリッジ大学、ドイツのケルン大学とハイデルベルク大学に所属するローマ史研究者から格別の支援を得ることができたことが、研究の大いなる進展につながった。 調査・研究の主たるテーマは2つにしぼられ、第1のそれは、研究課題にある「都市化」と「文化変容」のローマ時代における実態を究明することであった。この検討にはヨーロッパ人研究者の先行研究が参考になるものの、その論じ方にヨーロッパの歴史的特異性が絡んでいることが明らかになっており、この特異性を研究史の検討を通じて明らかにし、真に国際的な研究の視座を獲得することを第2のテーマとした。第1のテーマについては、ブリテン島のローマ時代における「都市化」やローマ的生活様式拡大の限度や性格について、その様相を明らかにすることができ、ドイツについても軍団が多く駐屯する辺境地域の特質を把握することができた。前者に関しては、その成果を単著『海の彼方のローマ帝国』(岩波書店刊)などにまとめ、ローマ時代ブリテン島に関する基本的な研究書の翻訳を出版してもいる。ドイツ地域についても論文を発表して論じるとともに、19世紀のドイツの古代史研究の性格と意義を明らかにして、歴史概念としての「ローマ化」概念の問題性を明確にすることができた。
|