研究課題/領域番号 |
14510412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
井内 太郎 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50193537)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 16世紀イングランド / 直轄収入国家 / 長い16世紀 / 大契約論争 / 租税国家 / 10分1ならびに15分1税 / 関税政策 / 公償政策 / 行財政史研究 / 10分1・15分1税 / テューダー絶対王政 / 補助税 / 割当税 / 直接査定税 / 財務府 / 国家財政構造 / イングランド / テューダー朝 / 1 / 10・1 / 15税 / 補助税(Subsidy) / ルネサンス君主 / ロンドン入市式 / 宮内府 / テユーダー王朝 / 儀礼 / 凱旋入市式 / ブルゴーニュ / ルネサンス / 政治的権威 |
研究概要 |
本研究では主に、16世紀イングランドの行財政史の問題について扱った。本研究では、15世紀末から17世紀初頭までを「イングランドの長い16世紀(以下、長い16世紀と略記)」の国家財政構造と位置づけた。また同時にこの時期は、「直轄収入国家」から「租税国家」への移行期と捉え、それを実証することを試みた。 「長い16世紀」に「直轄収入国家」から「租税国家」への移行の契機は、2度ほどあったと考えられる。1つは16世紀半ばの対スコットランド・フランス戦争に伴う財政危機と財政改革の時期、2つめは17世紀初頭の「大契約論争(the Great Contract)」の時期である。本研究では1つめの契機について主に扱った。16世紀半ばの財政危機に対する財政改革委員会の調査報告書を分析してみると、「租税国家」の成立に向けて議会税の恒常税化を目指すのではなく、国王の旧来の直轄収入を増加させ同時に経費の節減を試みるものであった。つまり「直轄収入国家」の再生が図られることになったのである。 このように「長い16世紀」の国家財政運営は、保守的な財政理念を基盤としながら一貫して「直轄収入国家」の体制の維持が図られた。確かに経済的には「租税国家」への移行は、避けられなくなりつつあったが、「課税は戦争などの非常時に限る」という憲政上の課税原則がそれを許さなかったのである。
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