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室町期連歌師における教養の基層-『兼載雑談(けいさいぞうたん)』を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 14510465
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 国文学
研究機関京都府立大学

研究代表者

安達 敬子  京都府立大学, 文学部, 助教授 (90194555)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード猪苗代 兼載 / 連歌師 / 兼載雑談 / 猪苗代兼載
研究概要

『兼載雑談』の本文校訂と全266項目についての注釈が完了し三弥井書店から『歌論歌学集成第12巻』として、2003年3月末に刊行された。この校訂注釈作業を通じて得た知見と、それを更に発展させて考察した結果を以下に述べる。
(1)内容は、歌学;連歌学に関するもの、歌入連歌師の逸話・言行に関するもの、兼載の理想とする歌論・連歌論の3つに大きく分類することができ、いづれも先行する歌学書・連歌学書に見いだせる穏当な記述である。ただ、叙述の方法が具体的で世俗的配慮に富み、いかにも有能な連歌師の後継者に与える、柔軟かつ実践的知識という点が他書に類を見ないものとなっている。
(2)『兼載雑談』において注目すべきは上記の内容からはずれた、公家や武家の家伝系図への関心・寺社縁起、中世神話、聖徳太子伝など神祇釈教の話題である。これらは和歌の注釈書に含まれる場合もあるが、むしろ中世辞書と共通する内容が多く、猪苗代兼載の知識の全体像や教養の基盤を考察するうえで、有益な資料と考えられる。
(3)上記の中で、「達智門」という笙をめぐる説話が、その形成過程において足利将軍家と結びついた豊原家の権威発揚の意図と方法を窺わせており興味深い。また、太子伝についての記事は、太子伝が後鳥羽院怨霊説話と融合する現象のなかに、禅宗の唱導と歌学の交渉から生み出された、新たな太子説話の展開が見出され、室町中期の太子信仰のひろがりについても従来とは異なる視座を提示するものとなっている。『兼載雑談』のこういった側面は、単に連歌の領域を越えて中世の文芸・思想・社会の有機的な結合事例を研究するうえで示唆するところが大きいといえよう。

報告書

(3件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 安達敬子: "六条御息所異聞-『六条葵上物語』から-"国語国文. 72-2. 24-48 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 安達敬子, 深津睦夫: "歌論歌学集成 第12巻"三弥井書店. 228 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Keiko Adachi: "A Study of Rokjo-Aoinoue Monogatari"Kokugo-Kokubun. 72-7. 24-28 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 安達敬子, 深津睦夫: "歌論歌学集成 第十二巻"三弥井書店. 228 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 安達敬子: "六条御息所異聞-『六条葵上物語』から-"國語國文. 72巻2号. 24-48 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 深津睦男, 安達敬子: "歌論歌学集成 第十二巻 東野州聞書・兼載雑談"三弥井書店(3月末刊行予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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