研究概要 |
英語の動詞表現の5つの出来事のタイプとなるactivity, accomplishment, achievement, semelfactive, stateのそれぞれについて、halfとの共起、holisticな変化・incrementalな変化が解釈に与える影響、時の副詞はどう作用するのか、また、almostなどの副詞が修飾するのは、出来事のoccurrenceレベル、onsetレベル、processレベル、goalレベル、resultレベルのうちどのレベルとなるのか、主語・目的語の複数性と文全体の意味との関係などについて明らかにし、さらに、その出来事に対する認識の具現化は、He stopped Mary from swimming.(泳ぐ前にやめさせる)(occurrenceレベル)とHe stopped Mary swimming.(泳いでいる途中で止める)(processレベル)などの認識と違いとのどう関係してゆくのかを従来の研究よりもさらに本質に迫る形で解明した。このような図像性の研究は、もっと広い視点に立てば、英語のバリエーションの発生のメカニズムに通じる現象であり、出来事をどう捉えどう表現するかという出来事の認識の仕方が大きくかかわっていることがわかってきた。さらに、英語の語彙拡張において、その主要なメカニズムとして「メトニミー的発想」の構図が実証的に明らかにされ、図像性というときに、直截的な図像性に加えて、デフォルメされたメトニミー的図像性も一貫してとえることができることを記述的に立証したことになる。
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