研究課題/領域番号 |
14510517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大庭 幸男 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90108259)
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研究分担者 |
有村 兼彬 甲南大学, 文学部, 教授 (70068146)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | phase / specificity condition / indirect object / minimalist program / double genitive / head movement / copula / syntactic change / 中核的統語現象 / 周辺的統語現象 / 生成文法理論 |
研究概要 |
分担者の一人であり、同時に、研究代表者でもある大庭は、2002年度、英語の中核的な統語現象であるwh疑問文と二重目的語構文について、生成文法理論の初期から現在までの研究を網羅的に調査し、提案された分析、原理・原則を整理した。また、それに基づき、研究成果として「特定性効果とフェイズ不可侵条件」と「二重目的語構文の構造-分散形態論の枠組みを用いて」を発表した。前者は、最近の生成文法のフェイズという概念を用いて名詞句からのwh句の取り出しを議論したもので、『市川賞三十六年の軌跡』に掲載済みである。また、後者は無生物主語を伴う二重目的語構文を分散形態論の枠組みで議論したもので、『FLC30周年記念論文集』(福岡言語学会編)に掲載済みである。2003年度は、引き続き二重目的語構文の間接目的語のwh移動を考察し、その研究成果を論文にまとめ、『言葉のからくり-河上誓作教授退官記念論文集-』(英宝社)に発表した。さらに、この論文は、大幅に修正を加えて、アメリカの雑誌Lingusitic Analysisに掲載されることになっている。このほか、「無生物主語を伴う二重目的語構文について」が『英語青年』(第148巻第10号、研究社、平成15年1月1日)に掲載ずみである(この論文は本報告書概要には記していないが、研究成果報告書には収録している)。 もう一人の分担者である有村は英語に固有の(その意味で周辺的な)現象である二重属格(double genitive)と呼ばれる構造について研究し、"Rethinking the double genitive construction"という論文にまとめた。二重属格は、代表的にはthis friend of John'sのような形式であるが、ofで表される属格形と-sで表される属格形が一つの構造に同時に生じる特異な形式で他のヨーロッパ諸語には見られない。この形式をKayne(1994)やden Dikken(1998)の提案を踏まえてその統語的特徴を検討した。一方で、this John's friendのような形式が中英語、初期近代英語では可能であったのに、18世紀後半を過ぎると見られなくなるという統語変化をどのように解釈すればいいか、現代英語の分析を基にして検討した。これは、近代英語協会の20周年記念論文集に掲載されている。さらに、The Syntax of Early English (by O.Fischer)に関して書評論文を書いた。これは、『近代英語研究』19(近代英語協会)に掲載されている。
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