研究課題/領域番号 |
14510520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 秀行 神戸大学, 文学部, 助教授 (90230581)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アジア系アメリカ文学 / アジア系アメリカ演劇 / 多文化主義 / エスニシティ / グローバリゼーション / ポスト植民地主義 / グローバリズム / アジア系アメリカ人運動 / アメリカ多文化主義 / Russell Leong / Frank Chin |
研究概要 |
平成14年度においては、70年代後半のアジア系アメリカ文化・文学の成立期におけるアメリカ人の政治的・社会的意識を研究し、フランク・チン(Frank Chin)を中心とするアジア系作家のアジア系アメリカ文化・文学とアメリカ人の政治的・社会的意識の関係を究明した。平成15年度には、80年代に発展したアジア系アメリカ文化・文学がアジア系アメリカ人の政治的・社会的意識に及ぼした影響をディヴィッド・ヘンリー・ホワン(David Henry Hwang)などの文学・演劇を中心に研究した。平成16年度には、ラッセル・リオン(Russell Leong)の文学・演劇にみられる90年代における政治的・社会的意識の変容を究明し、また、90年後半に頭角をあらわしてきたチェイ・ユウ(Chay Yew)などの新たな世代のアジア系アメリカ文化人・文学者の政治的・社会的意識を前の世代のそれと対比し解明に努めた。平成17年度は、スピヴァック(Gayatri Spivak)などアジア出身で欧米に活動拠点を置いて活躍する学者たちの理論に依拠しながら、アジア系アメリカ文化・文学に見られる政治的・社会的意識の変容を手がかりにして、ポスト植民地主義、グローバリゼーションとも関連させつつアメリカ多文化主義の本質とその可能性に迫った。四年間の研究により、70年代後半〜90年代にアメリカ多文化主義がアジア系アメリカ人の政治的・社会的意識に及ぼした影響およびアジア系アメリカ人の文学がアメリカ社会の多文化主義化に果たした役割は現象面およびその根幹をなす思想面の両方で顕著であることがわかった。また、とりわけ90年代後半以降のアジア系アメリカ文化・文学がエスニシティを超越し、グローバルなスタンスにシフトすることより、アメリカ社会内の多文化主義の発展のみならず、アメリカ社会のグローバル化にも寄与していることが明らかになった。
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