研究課題/領域番号 |
14510549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
倉橋 洋子 東海学園大学, 経営学部, 教授 (10082372)
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研究分担者 |
薬師川 虹一 東海学園大学, 経営学部, 教授 (90278408)
大場 厚志 東海学園大学, 人文学部, 助教授 (00194275)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 結婚制度 / セクシュアリティー / 社会階級 / 行動規範 / 家父長制 / ジェンダー / ロマン主義 / 視座 / 階級 / 資本主義 / 理想主義 / 産業革命 / エートス / 自然 / ジェンダーロール / 逸脱 / 父権制 / 女性支配 / 男女の階層秩序 |
研究概要 |
19世紀の英米文学作品にみられる階級間の社会的・倫理的行動規範の差異を研究した。 倉橋はホーソーンの作品から19世紀のニューイングランドの女性が知性、雄弁、指導力を発揮し、男性の領域の仕事を侵すことは、どの階級においても社会的行動規範から逸脱していることを検証した。また、ケイト・ショパンの作品から結婚に関して19世紀の南部の女性は北部の女性より早婚で、階級や経済格差と関連しており、結婚制度における妻の役割や、母親であることは自己犠牲を伴い、慣習や法律が女性を拘束していること、また、女性のセクシュアリティーの芽生えは階級に無関係であるが、上流階級の女性はその表出を抑圧する傾向にあることを検証した。 大場はホーソーンの男性主人公たちを取り上げ、敵対者との対比、父親的人物の影響力、女性との関係から、彼らは19世紀の行動規範によると男らしさに欠け、ジェンダーロールを果せないが家父長制イデオロギーの基で女性の支配に荷担していることを検証した。この背景には家父長制と男女の階層秩序において男性の確立し難い立場がある。また、『ブライズデイル・ロマンス』での階級の問題を財産や資本主義等の関連から考察し、平等という共同体の建前にもかかわらず社会階級がプロットの展開や登場人物たちの行動や価値観に反映していることを検証した。 薬師川は19世紀のイギリスの詩人の視座を研究し、ワーズワース、街頭詩人、ヒーニーはそれぞれ疑似中央視座、漂流する視座、辺境の視座を持ち、これらは夫々の社会的階層と重なることを検証した。また、ワーズワースにとって、湖水地方はイングランドの周縁ではなく、擬似中心であり、行動規範の中心にある。湖水地方の自然は、都会対自然として存在するより、イングランドのエートスの表象であり、イギリス国教会の倫理の表象でもある。それは『湖水地方案内』に示され、当時の科学的精神からくる倫理と対立し、ロマン派詩人たちの精神でもある。
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